荒天の新星祭
21話です。
最後の一人、天征にとっての新星祭が開幕となりました。そして、今回で新星祭編の終幕となります。
晴馬と天征がどういった思いをどういった行動に乗せて戦うのかご覧ください。
第21話 いってらっしゃい
先ほどまで雲一つなかった夏場の星空は、徐々に厚い雲に遮られつつあった。無論、大規模な連術でも使用でもしない限り、人間に天候をどうこうすることはできない。
が、運動場にてお互いに殺気を放つ晴馬と天征の心中はまさしく荒天。まるでその心中が天に影響しているようにすら思われた。
運動場にて一定の距離を置き、睨みあう両者。
軽くストレッチをするように、首を軽く左右に傾ける晴馬。
殺気を整えるように、両手に青筋を浮かばせて関節を鳴らす天征。
天征の周囲に迸る、ピりつくような練気。徐々にその練気が質を上げ、右腕に収束していく。
「.......先生、死んでも魔属になってくれるなよ」
「......安心なさい。天地がひっくり返ってもあり得ませんよ」
ルールを決めたわけではない。しかし、この勝負は一瞬で決まると両者感じ取る。そして、その瞬間は訪れた。
天征の位置座標は瞬時に大気へと変換され、晴馬の眼前へと移る。
晴馬と天征に周囲に、電気の性質を帯びた練気が迸った。その練気の中心にあったのは、天征の右拳。
繰り出した右ストレートの拳と地面に、少しの血が滴っていた。
「……何で、何で避けねぇ……!?」
その血のDNA情報は晴馬のもの。運動場の地面が赤い湿度に染まっていく。天征の右拳は晴馬の左わき腹を掠めていた。クリーンヒットとは言い難いが、肉が抉れていた。
晴馬の口からは鮮血が徐々に流れ出て、確かなダメージが発生していることを物語る。ただ、その鮮血に染まる広角は、痛みに歪むどころか嘲笑に近い笑みを浮かべた。
「......おかしい、ですね....。少し前の貴方の戦闘データならば、ギリギリ避けて攻勢に出られる算段でしたのに」
言葉とは裏腹に、愉悦に近い笑みを浮かべて天征の右拳に触れる。気持ちの悪い温もりと鉄分の匂いが天征の右拳を包む。しかし、天征はそれらの感覚を感じる余裕がない。脳内には、もはや得体の知れない存在と捉えつつある晴馬の一挙手一投足へと向けられる
「....あんなことを言っておきながら、やっぱり諦めずに鍛えていたんじゃないですか」
晴馬が今回の決闘で参考にしたのは、あくまで天征が最後に授業に出ていた際の戦闘データ。晴馬の想定通りなら、天征の攻撃をよけて終了だった。
それでも晴馬が血を流すことになったからくりは至って単純。天征が授業に来ない間にも相応に鍛えていたからに他ならない。朝早くから山に登りラフな格好で鍛える。おおよそ、除籍の話を自ら持ち出すなどの自虐的な人間の行動とは思えない。
天征を復学させることが晴馬の仕事であることには変わりない。しかし、本当にやる気がなく復学の見込みがなければ、評議会や本部の学長である御戒千太郎に強く進言していただろう。その上で、もっと強引で天征の意思を無視するような選択肢もなくはなかった。
だが、本人が諦めていない以上、晴馬も相応の手段を用いることにしたのだった。
「.....前にも言ったかもしれませんが、貴方の気持ちも分からなくはないです。目標が忽然と目の前から消えれば、混乱するのも当然です。ましてや、ほぼ失踪ですから」
痛みと苦しみを噛み殺し、しっかりと発音して天征の耳に入れようと努力する。天征は混乱しつつも、心身は晴馬の発言に集中していた。
「ですが、貴方が立ち止まって百崎様は帰ってこない。失踪した答えもくれない。貴方は心底ではそれをわかっているから、百崎様が消えても鍛え続けているんじゃないですか?
いい加減、現実と向き合って前に進みませんか?
貴方はここで立ち止まるべき人間じゃない。
すす....みま....しょう.....」
晴馬はついに鮮血滴る地面へ倒れこむ。
「先生.....!おい!先生!先生!」
先ほどまでの晴馬の言葉を惚けつつ聞いていた天征は我に返り、晴馬を介抱しようとかがみこんだ。呼びかけても返事はない。医療関係者でなくともマズいというのは良くわかる。かといって、天征に何ができるわけでもない。
「あーあ....、ホントにやったんだね....」
天征の背後から聞き覚えのある言葉が響く。気が付いたら雨が降り注いでいた運動場に、傘を片手に白衣の男性、葉乙女愛徒が赴く。
「マナさん....。なんでここに......」
「話は後、応急処置をしてから医務室に運ぶから手伝って」
天征の疑問や混乱を退け、葉乙女は左手に持っていた医療用鞄を広げて応急処置をしていく。そして「よし」という完了を呟き、天征と共に医務室へ向かったのだった。
無論、天征の混乱は続いたままだったが、葉乙女に従う他なかった。
ーーーーーーーーーーー
晴馬が目を覚ました時、視界には医務室の白い天井が映る。
「お、目が覚めたかい?」
記憶をたどって状況を整理しようとする視界に、葉乙女の顔が映り込む。晴馬はゆっくり上半身を起き上がらせ、記憶をたどる。最後の記憶は天征に話しかける場面で終了していた。しかし、それ以前に葉乙女にとあるお願いごとをしていたことを思い出す。
「まったく.....、本当にあんな無茶するんだもの.......」
「......申し訳ありません」
天征にしてみれば、自分の疑問に対する答えを聞くつもりで晴馬の誘いに乗った。しかし、晴馬はハナから天征を挑発して武力対峙をするつもりだった。そして、天征の攻撃を受けることも。
そこで、もしもの為に葉乙女に計画を話し、すぐに対応できるよう近くで待機してもらうよう依頼をしていた。
天征の攻撃を受けるのは「最悪の場合」という前置きで話してはいたが、この場合の晴馬はほぼ100%実行に移すと葉乙女は感じ取っていた。
本来なら医療関係者として止めるべきなんだろうが、長年心配していた天征のこととなれば、葉乙女も頭を縦に振らざるを得なかった。
無茶に強引。一歩間違えれば命はない危険な作戦。晴馬が久々に冷や汗をかいたのも当然だった。
「さて、後は君たちの時間だ」
葉乙女が医務室の扉へ退散すると同時に、背後にいた椅子に座る天征の姿が眼前へとあらわになる。両肘を膝につき、やつれているようにも見える。
罪悪感が全面に現れている天征の目と、晴馬の目が合う。
「申し訳ない……、その、何て謝ったらいいか……」
天征はその罪悪感を心に込め、頭を深く下げる。
葉乙女から、晴馬と天征の決闘になる可能性を加味した待機要請が晴馬からあったことは聞いていた。
無論、あくまで万が一という前提であり、それが晴馬の計画ということは葉乙女からも天征へは伝えていない。あくまで話し合いの末の決闘ということになっているらだ。
天征が気付いているかはともかく、余計な罪悪感まで植え付けるつもりはない。
「気にしないでください。私がヘマをしただけに過ぎません」
優しい声色を聞き、頭を上げる天征。
「天征さん。私が倒れる直前の言葉を覚えているかはわかりませんが、今一度、言います。
前に進みましょう。
貴方の複雑な事情もすべて理解したうえで、貴方はそれでも進むべきだ。進むべき人間だ。
至印将に疑問があるのならなってみればいいい。
百崎様に思うところがあるのなら、見つけ出して問いただせばいい。
貴方はそうするだけの力も才能も理由もある。
進みましょう」
引き込まれそうで、力強く背中をおしてくれそうで、有無を言わさない圧倒するようなそんな存在。それが天津晴馬なのだと、短い付き合いながらも骨の髄まで思い知る。
同時に、ここまで自分の事情に踏み込んで命を賭けるような人物に出会ったことがない。
がんじがらめの心情に対して、その糸を引きちぎるが如く、狂気にも近い常識外れの晴馬の行動。
もう、天征が立ち止まる理由はない。
天征はゆっくり立ち上がり、晴馬の元へゆっくり進む。
「……先生、アンタイカれてるよ。こんなヤツのために命張って」
「心外ですね。教師として当然の行動をしたまでです」
互いに優しい笑みを浮かべる。
「あ、そうだ。そういえば、第三支部の三神さんから伝言を預かってましてね」
「新波から伝言?」
「ええ。
「モタモタしてると、煌哮将は俺が継承するぞ」
だそうです」
その言葉を聞き「アイツ……!言ってくれるじゃねぇか……!」と、嬉しそうでやる気に満ちた笑みへと変わる天征。そして、真剣な眼差しへと変わり再び晴馬へ向ける。
「先生。俺、煌哮将を継承するよ。先生の言った通り、至印将の景色を見てみる。そうすれば、師匠がなんで失踪したのか少しでもわかる気がするからさ。
そんで、師匠がどんな事情で失踪したのかは知らないけど、事情を聞いた上で一発ぶん殴る!!
どうよ?」
「いいんじゃないですか?少なくとも、今よりは着実に大きく前進しますよ。ただ、煌哮将はあくまで候補選定中です。いくら貴方が前任者の師匠だったとしても、その席を確約されているわけじゃない。不登校というイメージがついた状態から挽回させるには、相応の努力を要しますよ」
「......分かってる。心身共に改めて、本気で至印将を継承しにいく。だから世話になるぜ、先生」
天征から差し出された右手。その右手を少し見つめ広角を上げた晴馬。本来、キャリアに関する忖度は良くはない。しかし、自身の生徒の決意表明。何を迷う必要があろうか。
「ええ。相応に厳しくいきますから、そのつもりで」
天征の右手を取り、復帰の契約完了となった。
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「さて、まずはどこから説明しましょうか」
とある日の養成機関特進科の授業。教壇に立つ晴馬。対して自席にてややハラハラした様子の統、アリサ、片桐。
「まず、色々ありまして左わき腹の怪我を負いました。しばらく体術授業のお相手は控えることにします。なので、基本的に皆さんがお互いに体術授業を行うこととなりますのでそのつもりで」
「珍しいね、先生が怪我するなんて。何か厄介な任務でも行ってきたの?」
付き合いの短いアリサでも、晴馬がそうそう怪我をするような男でないことはよくわかっている。統や片桐も同意見だ。
「.....ま、そんなところです」
無論、その原因についてを言うつもりはない。元はと言えば、晴馬自身が覚悟して実行した計画。正直に言ってしまえば、これから紹介するその男のせいになりかねないからだ。
幸い、生徒三名は変に追及することはしなかった。それよりも、今回はここからがメインディッシュ。
「さ、それよりも今日は授業に参加者が増えますので、その紹介をします」
予想外の内容に、顔を見合わせる生徒三名。
「久々に、と言ったほうが正確ですけどね。では、入ってきてください」
晴馬の指示で開いた教室の扉。そこには久々にこの教室へ赴く男、荒木天征が立っていた。
「天征!!!」
「天征.....!」
アリサと統はそれぞれ大きなリアクションをとり、思わず席を立ちあがる。
「よ、よう。久しぶり.....」
バツが悪そうに、晴馬の隣にゆっくりと歩み寄る。
「というわけで、今日から荒木天征さんが授業へ復帰します」
「そうなんだ!!待ってたよ!天せ....」
アリサの歓喜を途中で遮るように、統が天征の目の前へゆっくりと歩み寄る。その表情は、笑顔のアリサとは打って変わって険しいものだった。
久しく見る友人の表情。言葉に詰まりバツの悪そうになる天征。
その最中、統が右拳を振りかぶり、思い切り天征の左頬を殴った。後ろの黒板型液晶に倒れこみ、左頬の痛みを芯から感じ取る。
驚きつつ統の顔を見上げる。そこに憤怒の表情はなかった。寂しさ、安堵、そして目じりの雫。見たことのない友人の表情に、思考が停止する。
当然、周囲も困惑に包まれた。晴馬は心中で軽く口笛を吹いて、普段の統からは見られない行動力に感心していた。
「ちょっと統.....!」
アリサが統の行動を咎めようと前に出かけるが、隣の片桐が右手をアリサの前に出し、首を横に振って制止。片桐も咄嗟のことで困惑したのは事実だったが、少なくとも今は統の時間だと悟っていた。
「......全部込めました。急にいなくなったこと。僕の連絡を無視し続けたこと。そして、アリサから少しでも笑顔を消したこと。
本当はもっともっと言いたいことがあります。いや、ありました。でも、もう全部忘れちゃいました。だから、僕からは一発ぶん殴ってチャラです....!
何か文句ありますか!!!」
晴馬や片桐はもちろん、ここまで私情を全面に出す統はアリサや天征も見たことがない。いや、統自身も初めての感情だった。
「な、ないです.....」
なんとか言葉を絞り出した天征。統は爆発した私情を収めるように深呼吸をし、へたり込む天征の前にかがみこむ。
「だから....、今はこれがふさわしい。お帰り、天征.....!」
こぼれる雫、笑顔、そして、統の差し出された右手が天征を迎える。ようやく天征も以前の友人に向けるような安心感のある笑みを浮かべ、統の右手を取った。
「.....色々心配かけてすまなかった。
ただいま......!」
統の右手を取り、立ち上がる天征。こんどこそ、アリサ、統、天征で再開を分かち合った。
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「さて、君が片桐か。初めましてだな」
「え?俺のこと知っているの?」
旧友の再会で置いてけぼりの片桐だったが、すぐさま天征との初対面の挨拶へと移る。
「ああ、少しだけ新星祭見てたからな。新波相手に面白い戦い方してたから記憶に残ってる」
「あー、ありがたいけど、当てたのは一回だけだったし、全体的に見れば完敗だったけどね」
(ふーん.....)
片桐の自己評価を聞き、少し思うところがありそうな天征。そんな中、晴馬が両手を叩いて注目を促す。
「さて、挨拶も終えたところで授業といきますよ」
各々が返事をし、まずは午前中の座学となった。
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「......やっぱりきついぜ。しばらく授業に出てないから座学が大変だ......」
午前中の座学が終了し、机に伏せる天征。
「その割には、あまりブランクを感じませんけどね」
統が座学の用具をかたしつつ、天征の座学用のタブレットを眺める。
養成機関は基本的にタブレット端末を使用して授業となる。黒板もあるが、正確には黒板型の液晶パネルである。なので、天征を殴って後ろの液晶パネルに吹っ飛ばした統の行動は、器物破損の面で割と危なかったりした。
「まぁ、伏魔師として基本的な知識が多いからなんとかなっているけどな。《鬼丸》や《赤い幻公》、《三大伏魔殿》とか有名どころは知っているけど、マイナー寄りの魔属や魔徒の暗記となると厳しいな。後は使ったことのない練術の種類とかもか」
「それはアタシもムリー」
アリサも同様に机に伏せる。
「それで言ったら、片桐のほうがスゲェと思うけどな」
「え?俺?」
思うわぬ方面からお褒めの言葉を受け、少しうわずった声になる片桐。
「だって、確か数ヶ月前まで伏魔師とは無縁だったんだろ?それが俺らと同じように普通に座学を受けてんだから大したもんだと思うぜ」
天征にしてみればお世辞ではなく純粋に感心したつもりだったが、
「.....そんなことないさ」
どうにも片桐は素直に受け取れない模様。
(.........)
その様子を再び何か思うところがありそうに見つめる天征。そのまま時間は午後の実践訓練へと移っていく。
ーーーーーーーーー
「さて、よろしくな、片桐」
「.....うん」
午後の実践訓練へと移った一同。日課のフィジカルトレーニング(本来は鬼メニュー)を軽くこなし、面々は体術訓練へと望む。対戦カードは天征と片桐。
尚、天征へのフィジカルトレーニングメニューを晴馬は作っていなかった。いや、作る必要がなかった。理由は単純で、晴馬が考えうる想定と同等のフィジカルトレーニングメニューを、天征はすでに毎日こなしているからである。
「始め!」
休養中の晴馬の合図で訓練開始。しかけたのは片桐。自分にできる最大限の組み立てで肉薄していく。天征は片桐の動きを観察しつつ、軽くいなしたりかわしていく。その余裕を片桐も感じ取り、なんとか一撃加えようとするも天征には通じない。
そのまま片桐の隙を見た天征が片桐を背負い投げで地面へ叩き伏せ、その顔面の寸止めの拳を向ける。早々に決着。結果は見ての通り。
その後、天征は休息を取りつつ晴馬と初日の反省会となっていた。尤も、自己評価は早々に終了し、話題はすぐに片桐に移り変わる。
「どうでした?実際に相対してみて」
「そうだな。一応、特進科の生徒として文句ない素質はあるぜ。じゃなかったら、そもそも統やアリサと渡り合えないからな。確かに新波相手に一撃入れたのも納得できる。
けど、着実に課題は残っている」
「新星祭でみせた、膨大な練気ですか?」
「もちろんそれもある。けど、何よりいただけないのが本人の心持だな。簡潔に言えば、どこか自信が無いって感じだ。あの膨大な練気を活用できれば伏魔師として飛躍的に成長できる。けど、新星祭を見た限りは制御できてない感じだから、余計にもどかしいんだと思うぜ。ま、自信が無いというよりは迷いに近いか」
「同感です。あの膨大な練気を制御できるようになれば、諸々のことが解決できますからね」
「理想を言えば、何かしらの技術で内側から第三者による練気コントロールができればいいんだけどな」
「そんな技術があったら、全伏魔師が意図的に《完全洗練》ができる快挙ですけどね」
「だよなー。ま、下手な妄想はせず、着実に進むしかないんじゃないの?任務で自信をつけることもあるだろうしよ」
「......ですね」
そんな会話はつゆ知らず、片桐は体術の訓練を終えていた。勝敗はこれまでと変わらない。勝ちもあるが、負けのほうが着実に多い。
天征と晴馬の考察通り、片桐は少し自信を無くしつつあった。自分の中には相応の練気量という手段はある。しかし、それを活用するすべもなければ、ほぼ暴走状態となったあの状態を呼び起こす気にもなれない。
仮にあの練気量を制御できたらどんなに飛躍できるだろうか。現状ではないものねだりなのはわかっている。下手に蜜の味を知ると、その魅力と現実の板挟みになって苦しいものだった。
ーーーーーーーーー
とある日、晴馬は三つの封筒を持って教室に赴いていた。
「さて、統さんとアリサさん、そして、片桐さんに任務が入りましたのでご確認を」
それぞれに封筒が渡され、各々が中身を確認していく。
「僕とアリサが同じ任務のようですが、片桐さんの名前がないということは、我々とは違う任務ということですか?」
「みたいだ。俺は別の支部の人たちと一緒だ」
三名に同時に渡されたが、どうやら片桐だけ統やアリサと別に任務のようだ。
「あれ?俺は?」
晴馬が持ってきたのは三つの封筒。天征の分はなかった。
「天征さんは任務よりも座学優先です。成績はおいておいて、受けるべき座学の時間数が足りていないんですよ」
「まじかぁ。ま、しょうがないな。死なない程度に頑張れよ、お前らー」
天征の激励をうわの空で、片桐は任務に同行する人物の名前を見つめていた。
《今任務における臨時責任者:三神新波》
ご覧いただきありがとうございます。
天征の問題解決により、新星編終幕です。
ちなみに晴馬は天征との戦闘後、負った傷に対して珍しく葉乙女から説教を食らいました。わざと傷を負いにしたって限度ってもんがあるだろうってやつですね。
さて、最終から新章開幕です。その名も、
《鬼陣編》
となります。よしなに。
第21話、お疲れ様でした。




