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「買うべきかあ...買わざるべき?べきべきべきべき...」
だらけまくったダメナコがTVの通販番組を見て、お茶を飲みながら悩んでいた。
そこに紅色の装い美女のサイコウが入ってきて尋ねた。
「ねえパワー見ないけど?」
「ああ?...ゲンタに預けたぞ。...べきべかべこってことは牛だよなあ、買う牛、やはり買うならビーフべか?」
ダメナコは本当に、どうでも良さそうに答えると、さらに悩んでいた。
サイコはダメナコを思い切り殴ってから文句を言った。
「なんで、預けてんのよお!!もう殴るわ」
「さ、最高のフックじゃねえか...って殴る前に言え、このサイコ野郎がああ!...てめえが預けたから俺も預けたんだろがあああ!..わし頭いい!」
ダメナコは満足そうに頷いた。
瞬間、そのアゴにサイコの剥き出し心の声とアッパーカットが綺麗に決まった。
「もう死ね!」
「こ、この野郎、親子そろって脳みそが無えのか!子らああ!...武っ子ロス!」
ダメナコが起き上がると、無駄に格好いい構えを取り、首の骨を鳴らした。
それを見たサイコがストレートを反射的に出した。
「うるさ...」
さらに文句を言おうとした時、ダメナコの拳が腹に撃ち込まれていた。
次の瞬間、サイコは顔にハイキックが叩き込まれ吹っ飛ばされていた。
「まだまだだなあ、ざまあみろボケがあああ!おしりぺ〜んぺ〜んじゃあああ!」
ダメナコが舌を出しケツを叩きながら大笑いしている。
それから、サイコがゆっくりと起き上がってきていた。
「ちょ、ちょっと待ってサイコウちゃん?」
ダメナコが言いながら確認すると、顔を上げたサイコの目が赤くなっていた。
「ほ、本気になったらプンプ〜ンだよ?...サーセン!」
速攻でダメナコが有耶無耶にしようと頭を傾げたが、その瞬間サイコの拳がめり込み、そこからボコボコにされた。
「やめな!」
その時、白服で目が赤く、眉間に深い皺を寄せた若い女性が入ってくるなり言い放った。するとサイコが硬直したかのように動きが止まった。
「か、母さんだって、パワー預けたのに...」
サイコの目が普通にもどると、下唇を噛んでシュンとしていた。
「そ、そうだぞ、ワシじゃなくてこいつが悪いんだよな、なあコラア!」
コラ(コラア:怒りの神)の鉄拳がダメナコの笑顔に突き刺さってから言った。
「おめえも悪いだろ!コラ!...正座!コラ!」
速攻でサイコもダメナコも正座した。
「父さん、母さんブチギレてコラしか言わなくなってるよ」
サイコが、ダメナコに耳打ちすると、同様に返した。
「い、今は黙ってろ!」
「なんじゃ、コラ!!駄目、個等!!馬鹿、子等!!」
コラは瞳すら消えた赤い目で二人を見据え、言うたびに二人の頭に拳骨が落ちていた。その後、涙目の二人は気の済むまでコラコラぶっ叩かれ正座させられたのだった。
しばらく経つとコラの目も赤くなくなり、にこやかに話しかけた。
「で、パワーちゃんは、どうしたの?」
「い、いや?だから、ゲンタに預けただけじゃね〜か」
ダメナコは笑って誤魔化している。サイコは目を逸らしていた。
「なんだって?」
笑顔のコラがダメナコのコメカミに両拳をめり込ませグリグリしている。
「痛えって...わ、わかったよ、世話めんどいからゲンタの手伝いやらせて修行させただけじゃねえか。それにゲンタは俺より強えから...為になるはずだってえ...許してぇ」ダメナコは縮こまって頭を下げまくった。
その時だった。そこに白い服を着た消えそうな感じの綺麗な男性が現れて言った。
「まあ、皆さん落ち着いて〜、...この空気、いいですねえ!」
「アンタ、今、母さん怒ってんのよ!黙れ!」
サイコが婿である静寂の神シーンに耳打ちすると、黙って頷き気配を消した。
それから、さらに100回ぐらい頭を下げ続けるとコラの顔が柔和に戻った。
「そうねえ、気になるならアンタ達、パワーちゃん見に行ってらっしゃい!」
コラは笑顔で、もう終わったと両手を叩き、サイコとシーンに命令した。
「おう!行ってこい!...ベコ買うかなあ?...っしょい!...モテる男は辛えぜ!」
そしてダメナコは横になりTVを見つつ、鼻をほじり、くしゃみをしていた。
「「...」」
膨れっ面のサイコと無表情のシーンはしばらく無言で顔を見合わせていた。
死ーん...




