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不通普通  作者: サラニネル


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18/23

18

コメコが戸締りと支度をする為に家の中へ入っていった。

その時だったメーナーが駆け寄ってきて声をかけた。

「ゲンタとゴンタコ、おらあちょっど用事でぎぃだがら戻る。またぁな゛あ」

そう言うなり地面に潜って去っていった。その後倉庫で道具を探し、俺とゴンタコで盗賊達を縄で縛り作物を載せる台車に乗せておいた。


一息ついてるうちに俺はゴンタコに釘をさしておくことにした。

「ゴンタコ、この家の子供のコメコちゃんが出てくるから、絶対に殴ったり蹴るなよ。守るものだからな!」

「わかったよ、アニキ...俺守る!うりゃああああああああ!」

ゴンタコは気合を入れた。うるせえので更に釘を刺した。

「とりあえず、その気合いも怖がるからできるだけ言うなよ!できるか?」

「うん、俺頑張る...うぅぅ」

ゴンタコは持ちこたえた。やればできるかもしれない。いつまで持つかなあ。


「す、すいません支度できました」

少し待つとコメコが家から出てきた。そして近くにいたゴンタコの見た目が綺麗な若い女性だったので安心して近寄ろうとした。

「...ぁ、おねさぁ」

「こいつが...コメコ?」

ゴンタコはまるでレスリングのような構えでコメコの周りを動き回りながらくまなく観察すると、神妙な顔で頭の匂いを嗅いでいる。

「...ん゛!!」コメコは見た目とのあまりの落差に呆然とした。


「ま、待てえ!匂いは嗅ぐんじゃない。まずは挨拶だろ」

俺がそういうとゴンタコは止まって、少し考えてから割にまともな挨拶をした。

「...俺はゴッゴ!弟だ、よろしくなコメコ」

しかし、コメコは男の口調と弟ということで更に驚いていた。

「ち、違う!い、妹だよなゴッゴ!」

俺はそう言ってから、ゴンタコに耳打ちした。

「ゴッゴの時は妹にしておけ、わかったな」

そしてゴンタコはうなずくと満足そうな笑顔で言い切った。


「俺妹にした!」

俺はそうだけど、そうじゃないだろと思った。まあこれから説明する時に妹の方が楽だし、まあいいだろう。

コメコはポカンと口を開けていたが、なんとか我に返るとゴンタコに挨拶した。

「...ゴ、ゴッゴさんよろしくお願いします」

「よろしくなコメコ!」

ゴンタコは笑顔で答えた。叫ばないとまともに見えるような気がする。いつもこれでいてほしい。

「おらぁメ゛ッメ゛だあ、一゛番下゛の妹゛だあ」

その時なぜかメーナーも髪と目を黒色にしてラフな服装で現れた。

「...メ゛ッメ゛ちゃんよろしく!」

コメコは同じような年齢に見えたのか今までにない笑顔になった。よかったな。

しかしゲッゲにゴッゴにメ゛ッメ゛か...鳴きたい...間違った、泣きたい。


俺の封印だけ少し解いて台車を引いて行くとイナナカ村に着いた。

ギルドまで引いていくと周りが驚いて見ていたが、まあいいか。台車置き場に盗賊ごと置いてから、自分に封印すると受付へ向かった。


「ゲ、ゲッゲさんの奥さんと子供ですかあ?」

ミソコイはゲッゲの他にも綺麗な女性が1人、幼い子が2人きて、奥さんと子供まできたのかと驚いていた。

「ち、違います。お、俺の妹です。」

俺はそう言って、それからゴンタコに耳打ちした。

「ミソコイさんも世話になってるんだ敬え、そして自己紹介しておけ!」

「俺は秘密の妹ゴッゴです。だあぁぁん..」

ゴンタコは興味なさそうな顔から一転ミソコイに近寄り叫びそうになったので頭と顎を押さえ黙らせた。どうやってもおかしくなるな。

「ヒッ?...ゴ、ゴッゴさんですね、よ、よろしくお願いします」


ミソコイさんは引きつった笑みで返答していた。

「よろしくな、ミソコイさん」

ゴンタコはそう言うと、机の上でしゃがみ込み、また神妙な顔でミソコイの頭の匂いを嗅ぎ始めた。

「へぇ!?」

ミソコイさんが恥ずかしそうだ。というか周りも見た目からは考えられない奇行に目が点になっていた。まあ俺も驚いているがな。

「ゴッゴ、匂いは嗅いだらダメって言っただろ。あと机の上に乗るんじゃない」

「わかったよアニキ」ゴンタコは机から降りると、あぐらを組んで座ってあくびをしだした。もう犬だな、そのまま寝てくれないかな。


「おらぁ妹゛のメ゛ッメ゛だあ、よろすぐお願いしんまぁあず」

次にメーナーが紹介をし始めると、ミソコイは名前からもう普通なわけないですよねえ知ってましたと目が死んでいる。

「はい、メ゛、メ゛ッメ゛さんですね、よろしくお願いします」

「めえ」メーナーが相槌を返すとミソコイのくちも「め」の形で呆然としている。周りも静かで、いい感じだな。


「私はゲッゲさんに助けてもらったコメコです、よろしくお願いします」

最後にコメコに視線が行くと緊張した面持ちだがはっきりと答えた。

「...助けてもらった?」ミソコイは頭を傾げた。

「あ、あの、コメコの家にいた盗賊を捕まえたら、助けてました」

俺は事実を言った。

「はあ?...盗賊ですか...盗賊捕まえたんですかあ!?」

ミソコイは以前の口下手で真面目なゲッゲが、あまりの生活の酷さに精神崩壊した妹を引き連れて?盗賊まで捕まえた?泣けるような?カオスなような?思考が追いつかない。

見るとゴッゴはすでに大の字でいびきをかいていて、メ゛ッメ゛はその周りを笑って飛び跳ねていた。見るんじゃなかった。

「はい、台車置き場に盗賊4人縛って持ってきました」

俺はその方向を指差して笑顔で答えた。

「...しょ、少々、確認しますので、お、お待ちください」

ミソコイは頭を抑えふらつきながら奥の部屋に行ってしまった。そんなんで疲れてたら俺はエンドレスですよ...



その後、確認してもらうと盗賊達は街の衛兵に引き渡された。そしてコメコの家族を知らないか聞いてみたがこの街に逃げた時は魔王が侵攻して近寄れなかったから、他の街に行ったのではないかと推測された。なので他の街のギルドの掲示板に貼り出してもらえることになった。

それから盗賊を捕まえたことで街から報奨金としてゴブリンの報酬の4倍ぐらいもらえることになった。でも家がなあ。そんなこんなで俺が台車を引っぱりコメコ達を乗っけて送っていくことになった。


「あ〜あ゛、結局家゛っごどうすんだあ」

台車の上からメーナーが俺に言った。そばではゴンタコが寝ていて、コメコは考えているのか大人しく座っていた。

「...なんとか、野宿するしかないだろ、報酬でテント買えるかな?」

俺は引っぱりながら少し考えて答えた。

コメコは色々と考えていた...両親も帰ってくるかわからない...また盗賊が来たら今度こそ終わってしまうし、自分だけではお金もないし食べられない...この人たちなら助けてくれたから信用できるし頼んでみようか...けどものすごい変人だしどうしようと。そしてしばらく葛藤した後にコメコは決断し話し始めた。

「...あ、あのう、みなさん家がないなら、できれば親が帰ってくるまでは、私の家にいて欲しいです。...あとご飯も買うお金も盗賊が使っちゃってほとんど無いです。すいません。」

それは俺にとっては素晴らしい提案だったので、すぐに返事をした。

「任せてくれ!」

そう言いながら俺は飯代なら今手に入ったし明日は3度寝しようと心に決めた。


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