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第271話・決着、アルスVSスカッド

 

「私が神だ!! 私が道理だ!! 貴様を消す、アルス・イージスフォードォオッ!!!」


 遂に真の姿となったスカッドが、地上から一瞬で飛び上がってきた。

 瞬発力も力強さも、まるでさっきと違う。


 呼応する形で、俺も空中から迎撃した。


「ッ!!」


「ぬぅうッ!!」


 衝撃波が波打った。

 空間が歪み、鐘の音が不気味に響く。


 確かに尋常ではないパワーだが––––


「やってみろ!! 道理の大天使スカッド! そんな間違った理––––この要塞のように俺がぶっ壊してやる!!!」


 本気の蹴りでヤツを吹っ飛ばす。


 しかし大天使と呼ぶに相応しい、現実離れした飛翔速度でスカッドは俺に追い縋る。

 空中で何度も激しくぶつかり合い、その度に魔力が飽和。


 何度も鐘の音が轟いた、まるで世界の終焉を思わせる嵐だ。


「この際だから聞いておく、なぜ神話で人々から崇められる貴様が人間に仇なした! それこそ非合理じゃないのか!」


「簡単な話だよ竜王級! 私は以前の神が創ったこの世界の理が気に入らなかった、実に不快だった!」


 両手に神力を纏ったスカッドが、真上から俺を襲った。

 すかさずブルーの出力を変更し、魔法を展開する。


「『イグニール・ヘックスグリッド』!!!」


 蒼色の炎が、壁となってスカッドを弾いた。

 それでもヤツは、超高速で機動しこちらの側面を一瞬で突いてくる。


「非力な人間が魔力を使う世界が気に入らなかった! 不完全な理で世界が回っていることに、道理の天使として耐えられなかった!!!」


 姿勢を反転、こちらも宙を蹴った。

 互いに取っ組み合い、正面からパワーだけで競り合う。

 晴天の周囲にイナズマが走った。


「だからこそ私が神となり、完全無欠の理を作ろうとした! 凡庸な魔法の存在しない真のユートピアだ! 君と君の彼女によって阻止されたがね!!」


「そりゃ良いことだ、『フェイカー』を集めてばら撒いてたのもその布石だったって訳か」


「私によって選ばれた人間のみが魔法を使える世界だ、弱者は淘汰され強者だけが世界を回す。実に合理的で効率的で理に適ったシステムだと思わんかね!?」


「はっ!! 世界規模の独裁が効率的だと? 笑わせるッ!!」


 俺はブルーの出力を暴走寸前まで上げると、生意気に理想を語る大天使へ頭突きをぶつけた。

 すかさず右拳で、ヤツのすかした顔を殴り飛ばした。


「神による絶対管理? 魔力資源の自由使用禁止? まさかこんな腐った独裁思想を大天使様の口から聞けるとはな。何度でも言うぞ––––笑わせる」


「なんだと……ッ?」


「自由主義を絶対と言い切るつもりはないがな、仮にも民主主義で選ばれた生徒会長として––––貴様みたいな独裁願望者は見過ごせねぇッ」


 再びのぶつかり合い。

 だが、竜王級の特権とも言うべきブルー・ペルセウスを前に、大天使は木の葉のように弾き飛ばされた。


「があぁっ!!」


「天使による秩序? 人類として言ってやる……クソ喰らえだ! 共産主義国家による一党独裁とどこが違う! そんな戯言で俺の家族は奪わせない!! 俺たちの世界の道筋は––––俺たちで決める!!」


「羊に番人は務まらんのだ!! 私の道理こそ真のユートピアへ繋がる! 君たち人間は、神に管理された牧場で大人しく草でも食っていればそれで良いのだ!!!」


 とうとう追い詰められたスカッドが、俺の上空で極大の神力球を形成した。

 その密度は凄まじく、まるで中性子星を彷彿とさせる。


「道理の天使として全てを込めた一撃だ……! 君は私が創る理想の牧場に相応しくない異常存在(アノマリー)だ。今ここで消えろ! 竜王級!! 極大殲滅魔法––––『アトミック・クェーサー』!!!」


 目を瞑る……。

 ダダ漏れの蒼い魔力を、ゆっくりと右手へ収束させていく。

 広げた手のひらへ、とても小さな魔力球が出来上がった。


「そもそも大天使スカッド……、お前は既にやらかしてんだよ」


 目を開け、俺はとても小さな魔力球を指2本でつまんだ。

 眼前に極大殲滅魔法が迫る––––


「俺の家族に手を出した時点で、この結末は決まっていた。それを今……見せてやる」


 指で軽く弾いた蒼色の魔力球は、呆気なく––––何十倍もの大きさを持つスカッドの『アトミック・クェーサー』を貫通した。


「なっ…………!!!?」


「俺とお前じゃ、戦闘の経験値が違いすぎる。だからこの結果も必然––––いわば“道理”だ」


 スカッドに着弾した極小の魔力球は、彼から天使の全てを否定した。

 視界も眩む大爆発が発生し、恒星表面と等しい灼熱が大天使の翼を燃やす。


「お前の負けだ……道理の大天使スカッド」


評価7000pt到達!!ありがとうございます!!!

この作品がここまで続いているのも、貴方の応援あってこそです。

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― 新着の感想 ―
[一言] いくら広く攻撃しようと、一点突破の魔力球には勝てない。 広範囲の攻撃は、殲滅戦では有効だけど、タイマンなら、もう少し縮小してもよかったはず。範囲50で威力10と、範囲5で威力100、みたい…
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