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第二話□ 初めての蘭高校

昨日は寝坊のせいで体育教師に捕まっていやな思いをした村山。

しかし彼はめげずに今日も登校する。

―――翌日―――

 俺の家族構成は父、村山 一成(かずなり)。母、村山 柳子(りゅうこ)。兄、村山 遼史(りょうし)。俺。妹、村山 三奈(みな)。という感じで構成されている。難の変哲もなく、親が海外行ったりしてなく、女系と言ったわけでもない。

 腹正しいのは妹が異常に俺のことを嫌っていると言うことだ。ついでに兄のことも嫌っているが、兄も俺も温厚なので全てを優しく受け止めてあげている。さらに妹は何故か父のことも妹は嫌っているのだ。思春期の妹としては相応の反応だ。妹は我が家の男を全て見下しているとさえ感じる。しかし、逆に父は妹のことを溺愛しているので、妹の男関係とかの話になるとめちゃめちゃになる。妹に暴言を吐かれた時なんてそれはもう…。

 そして朝ご飯。

「なんで昨日は起こしてくれなかったんだ?」

「あら、昨日なにかあったのかしら?」

俺と妹と父が座っている食卓。兄は寮生活なのでもう朝ご飯には顔を出さない。休日ぐらいは来てくれると思うが。母は台所にいて、母に俺は昨日の事に対する問いを投げかける。

「あなた今日が入学式っていってなかったかしら?」

莫迦な。俺がそんなことでミスをするとでも言うのか。試しにカレンダーを見る。

「ありゃ?」

一日だけ日にちをはき違えていたらしい。俺のバカヤロウ。

「バカアニキだから仕方の無い事よ。まったくこれだからうちの男は」

妹が実にやかましい暴言を吐く。しかしそれに反応したのは俺ではなかった。

「おいちょっと。それ私も含まれてないか?」

どうしてなぜか親父がうろたえる。お父さんはそこで会話に入るんだね。

「あら? お父さん自覚無かった?」

妹自身も親父のことも含めての言動だったらしく、妹は親父に対し冷ややかに言い放ってしまった。親父は箸を持ったまま止まる。しかも豆腐を掴んだまま。あれ絹の方だろ。

「…」

箸が落ちる音が響き、親父の魂は彼方に消えてしまった。絹豆腐も味噌汁のなかに墜ちていった。全く…。

「こら三奈。お父さんはお前の事を溺愛しているんだからそんなことを言えばどうなるか。15歳になるんだから分からないはずもないでしょうに」

俺は忠告してやる。ホントこの妹は辛口過ぎるんだよな。ルックスが良いのが気に入らないが。

「うるさいわよバカアニキ」

「三奈、何でもかんでもかみつかないの! お父さんだって頑張ってるのよ?」

三奈のことを母がしかる。心の底からざまあみろ。晴れやかな気分で吸う味噌汁はまた格別だ。ヒャッヒャッヒャ。

「は〜い」

返事を延ばすなよ全く。

「ごちそうさま」

 気を失ってよだれを垂らしかかっている親父を傍目に俺は食器を手早くシンクに持って行く。妹は行儀良く食っている。

「今日はできるだけ早めに行くよ。母さん。昨日目を付けられたこともあるし」「分かったわ」

「バカだからしょうがないわよ」

やっぱ妹はかみついてくる生き物だった。

「三奈。お前学校では絶対猫かぶってるよな」

この性格なのに集まる女子は妙におしとやか。この前家に招き入れてきた女子もお嬢様的な雰囲気を出していた。こりゃあ黒だな。前から知っていたが。

「あんたは私の中学校と関係ないでしょ!」

「三年生なんだからもう少し慎みを…」

持って欲しいね。

「あんたは私の親じゃない!」

「そりゃ台所に立っているおばさんとそこで気を失ってる親父が親だ。当たり前だろ」

「ぐぬぬ…」

妹が歯がゆいと行った表情で睨んでくる。そんなに睨んでも何も出てこないからな。

 俺はさっさと妹を無視しつつ自室に戻り、着替えて家を出る。

「行ってきます!」

「行ってらっしゃい」

母の爽やかな送り出しの言葉と、

「帰ってくるなバカアニキ!」

妹の不愉快な追い出しの言葉。てめえの音波には俺の鼓膜は反動できないぜ。とはいいつつもコミュニケーションをしてるだけ俺&兄と妹の関係は悪くないのかも知れない。不愉快だけど。

 颯爽と玄関を開け、真っ先に駅へと向かう。蘭高校は何かと交通の便がよいのでありがたいこと限りなし。これが山の上だったらホント参ったことです。

 さて、これから学校生活が始まるわけだが俺はまだクラスの奴と顔を合わせていないと言うね。とりあえず友達作って3年間を乗り切るというささやかな願いを叶えよう。

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