On My Way Home 2
朝、窓の外の牧場が、真っ白くかわっていた。
夜半に降った雪だった。
窓を開け放すと、冷えた空気。
すぐに雲間から黄金色の朝日が射してきた。
キラキラと晴れた雪原……それは、何かとつながっていた。
心がざわつく。
いつか、メリルさんと海をながめた朝のように。
ただし本質は、その朝の記憶のことでも、そのまえの港の祭りのことでもない。
答えは、その先にある。
不思議な筆の夢、宙に浮いた文字が飛ばされていく先。
そう。
◆
つまりこれが、君の記憶なんだね。
君の生まれたところ。
豊かな光。
仲間に囲まれた安らぎ。
風にそよぐ葉先。
地球とはちがうけれど、やはりそれでも美しい透明な朝露。
なつかしい郷里の風の匂い。
つまりこれが、決意なんだね。
遠くの星に命を生み出し、ゆりかごのように育むこと。
自らを犠牲にしてでもその身体に入りこむこと。
破壊と死をくり返しても、絶えない炎。
それを、見つめ続けること。
◆
タクヤは、ふと、横を見る。
ユリは共に窓辺に立ち、まぶしそうに目を細めていた。
そしてタクヤの背に、そっと手をあてて言った。
「全てつながっている。このスーサリアの風のように。そうでしょ? そして、私はここにいるよ。タクヤ、あなたのそばに。うれしいよ。私、うれしい」
感謝をこめて、苦笑する。
ユリを好きになって正解。
君は、僕を支配した。
僕は、君を支配した。
ひとつ、正直に言っていいか?
「なに?」
スーサリアの祈り師って、やっぱ、すごいや。
「ばか。次は、君の番だよ」
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