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第45話 前に続く道 2/6
タクヤを乗せた黄色いスポーツカーは、スーサリアの首都が見わたせる小高い丘に向かって疾走した。
「これ、君の車?」
「そうよ。エンジンも、ブレーキも、異常に強すぎて、正直、疲れるけど、でも、風を切って走るのは気持ちいいでしょ」
「そうだね」
「特に、上りでのありあまるパワー、快感よ」
「ミルって、そういう趣味だっけ? なんとなく、馬とか、愛していそうだけど」
「馬もいいけどね。そうそう、あと、飛龍。かっこよかったなー」
「僕も乗せてもらえばよかった」
「すごかったよ。一番の思い出かも」
「僕は、テレビしか見てないからよく知らないけど、龍人族はどうなった?」
「表だっては、何もない。でも、ベルベス自体は、今まで通り生産され、利用されているから、そのうちまた過激なことが起きるかもね」
「あの女王も、同じ名前だったよね」
「そうね。会いたい?」
「女王に?」
「ちがう。私たちのユリに」
「願っても、ムリなことはムリだから」
「私は……会いたい」
「そっか」
「でも、それとこれとは別」
「何が?」
「まずは、あの丘の上まで行きましよう。車は途中まで。あとは歩いて登ります」
「身体を動かすのは嫌いじゃない」




