2.5.動く世界ー①
なんだかんだ物語のキーマンが出てきます
ー王国ー
「早く盗賊王様の元まで行かぬか!」
「畏まりました!」
大臣が声を粗げ騎士団長に詰め寄る。しかし、邪神が復活とあっては仕方ない
邪神復活の知らせはすぐさま王国全土を駆け巡った。王国には邪神が封じ込められたーいや、封じられていた要石と神剣があった為である。封印の森は常に特殊兵団により管理されていてその兵団がこの平和な世の中出会ったがためかなりの慌て様だったのが記者に見られており国中に大至急の号外として出回ってしまったのだった。
妾はこの国の女王として恐らく、いや、絶対的な窮地に立たされている。もちろん邪神封印前の方が王国は死と隣り合わせの危険地帯であった。しかし長い魔族軍との戦乱の世が続いていた為国民やひいては王族もその危険になれていて案外治安もよくしっかりと統治されておったと爺やからも聞いていた。しかし今回は平和な世に突如現れた、と言うより再び戻ってきた脅威により国は過去最大のパニックになっている。
「爺や」
「なんで御座いましょう、陛下」
しゃがれた声で返事をしたのは代々王族に仕えている執事のハイエルフだ。普通ハイエルフという種族は共和国にある森の中で暮らす種族なのだが爺やは変わり者で王国建国以来執事としてこの城に暮らしている。歳の程は1500を超えるまさに生き字引のような人である。
「帝国、法国、共和国に緊急会談の連絡を。時刻は今から2時間後、場所は王国で。下手をすれば人魔会談になる可能性も視野に入れ城から大臣、近衛兵、騎士団長以外を出せ。」
「畏まりました陛下」
王国建国以来の慌ただしい一日が始まるーー
ー帝国ー
「100年振りに聖剣老師様の気配が島から消えました」
「ふむ。先程の禍々しい気配と合わせるにやはりか」
「でしょうな皇帝陛下」
やはり邪神が復活したか。朕は600年前、帝国が西側諸国を平定した時以来久々に心がざわついているのを感じた。そろそろ朕も隠居を考えていた時にこれである。おちおち寝ても居られない。
「陛下、お客様です」
「だれだ、今は緊急事態だと伝え、帰らせよ」
「それが、陛下。王国の執事と言えば伝わると」
「なに、あの執事か。ならばとおせ」
「かしこまりました。」
まさかこんなに早く王国からの報せが来るとは、あの女もなかなかやるな。齢25の若造かと思っていたがその認識を改めなければならないようだ。
「お久しゅうございます。皇帝陛下。ご健勝そうでなによりでございます。」
「面をあげよ」
「失礼いたします。」
「何用だ…と言っても今は1つしか用事はないだろうが」
「もうお気づきとはさすがです陛下」
「世辞はいい。早く要件を話せ」
「かしこまりました。では王国の女王陛下より伝言でございます。邪神を封じていた要石と聖剣が粉々に砕けた、17の時妾の城にて会談を行いたいから来てくれと申しておりました」
なるほど、しかし王国で会談とは……王国は魔界に面しているし何より朕を呼びつけるなどもっての他である。一時期より力は落ちたとはいえ最強を誇っていた帝国。その最上の存在である朕を呼びつけるとはなかなかに常識がない女だ。
「帝国ではダメなのか」
「その事ですが、人魔会談がそのまま行われる可能性があるからとのこでございます」
「ふむ。確かにそれなら魔界から近い王国が最適か。わかった17の時にそちられいこう。皆の者すぐ準備をするように。」
「「「は!」」」
「皇帝陛下の御威光はご健在のようで何よりです」
「だから世辞はいらぬと、まあいい転移陣はあるのか?」
「こちらが王城の会談の間の座標でございます」
ふむ、やはり王国の王族は侮れない。朕が考えていたことの1歩先を考えていたかもしかしたら世界が平和の世になって以降最も優れた王であるかもしれない。
「では私は法国と共和国の方にも話をしなければなりませんので失礼いたします」
「うむ。王国執事、いや師匠殿。これを」
王国の執事を今こそやってはいるが元々はかなり名の知れた冒険者であった。王国執事に朕は少ない期間だが弟子入りし教えを乞うてきた。そんな恩もあるので
「これはこれは。皇帝の印が入った手形ではありませんか。お心遣い感謝致します」
「気にするな。今は師匠を知らぬ者も多い。亜人種が多く暮らす共和国ならまだしも法国に師匠を知るものはいないであろう。それがあれば少しは回るのも楽になるであろう。」
「ありがとうございます。では失礼します」
そう言って王国執事は去っていった。さて、朕もこの先の会談に向けて準備をするとしようか
公開可能な設定資料4.この世界について
この世界は王国が治める東地区、帝国が治める中央・西地区、法国が治める北地区
共和国が治める南地区を全てまとめて人間界と呼ばれている。そのほか邪神率いる魔族や魔獣が多く生息する魔界、英霊たちが住まう英霊界、神や上位精霊、天使たちが住まう神界、理を外れたもの達が住まう天界、通常の精霊たちが住まう精霊界の6つの世界がある。また。人間界と魔界を合わせて規定世界と呼ぶこともある。それぞれの世界へ行くには英霊界へ行く転移門を通った後に英霊界にある転移石を使わなければならない。しかし、神界だけは特別で石ではなく転移門を使うか、神界の者からの招待でも行ける。




