第68話 幼女神誕生 ~えっ? 屠殺ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
豚共も眠る丑三つ時、教会がある一角で、襲撃の準備が行われていた。
『ハトリ、状況はどうなっている?』
『豚ちゃん達はグッスリ眠っているよー』
『逃さないように処理する事は可能か?』
『大丈夫だよー、1匹も逃さないよー』
『判った、合図をしたら突入してくれ』
ふっふっふっ、1匹残らず屠殺してやる。 この時に向けて、ジックリ計画していたのだからな。
教会関係者の豚共には、最後の素晴らしい夜になる事だろう。
屠殺といえば、電気と薬物。 私が電気で、ハトリが牙から出る麻痺毒の担当だ。
鳴き声を上げる事が無い様に、処分してやろう。
本来は屠殺の心労を軽くする方法なのだろうが、私としては騒がれたくないからね。
ハトリは食べるかもしれないが、可食部分の無い、悪質な精神障害を患った、豚共だ。
脳内神が実在するかのように吹聴し、詐欺を行って金品を騙し取る、死ぬべきゴミなのである。
きっと変な脳内物質がドバドバ出ているジャンキーな産業廃棄物なので、最終的には焼却処分が妥当なのかも知れない。
領主としても、疫病なんてゴメンだからね。
『突入っ!』
『らじゃー』
私達は別々に突入する。 ハトリは寮で、私は幹部室だ。
「スタンナックルっ!」
「っ!!!!」
声もなくピクつく豚幹部。 ついでに記憶も覗いておこう。
「マジックスキャン」
「っ!!!!!!!!!」
ほぅ、ほほぅ。 やっぱり襲撃して正解だな。 こいつ私の拉致計画を立てていやがった。 不信心者に対する天罰らしい。 何が天罰だよ。
こいつはチンピラ以下のクソ野郎だ。 出来る事なら、苦しめてから殺したいな。 いや、時間的に無理か。
「マイクロウェーブバースト!」
汚ぇ、マジで汚ぇ肉塊だ。 次だ次。
『1匹処理、次に向かう』
『こっちは2匹処理だよー』
『早いな』
『えへへへへー、それほどでもー』
本当にハトリは優秀だな。 目標が集結しているのもあるのだろうが、有している技能や異能が違う。
私と違って、音や気配を残さないし、姿だって消せる。 音もなく襲撃するなんてお手の物だろう。
しかも種族の能力として、壁登りや毒牙なんてのもある。 肉食の生き物にありがちなのだが、使うのはタンパク質系統の神経毒などだ。
神経伝達物質を阻害するタンパク質系神経毒は、単純な毒消しは通用しないし、肉の消化を助けるタンパク質分解酵素は、肉をグジュグジュにする。
要するに、「毒消し」なんて概念が通用しないのだ。 簡単な化学物質なら中和するなりの方法があるのだろうが、この手の毒には通用しないし解毒は出来ない。
当然の結果として、聖職者のゴミ共が毒に犯されている事が判明したとしても、連中にはどうする事も出来ないだろう。
唯一の解決策は回復魔法を掛けつづける事なのだが、それも不可能だろう。 何故なら、それが可能な連中も今夜死ぬのだから。
正に完璧な仕事である。
さて、私も負けてはいられないな。 さっさと次に向かうか。
部屋を移動し、次の目的の部屋に向かい突入する。
私が迷わずに次々と豚を襲撃出来るのも、ハトリのお陰である。
マーキングの糸が何処までも伸びているし、ハトリに教えてもらった特殊な魔力視を利用すれば、ハッキリと確認できる。
しかも伸縮性が素晴らしい上に相手には見えない細さと弾力性、通常の魔力視では見えない性能は、ハンターの強力な武器になる。
その上、ハトリには大まかな相手の状態まで判別できると言うのだから、至れり尽くせりである。
「スタンナックルっ!」
「っ!!!!」
「マジックスキャン」
「っ!!!!!!!!!」
「マイクロウェーブバースト!」
最早、作業だな。 今晩中に、全ての豚を狩り尽くそう。
『2匹目処理完了、次に向かう』
『こっちは5匹目だよー』
競争しているワケではないのだが、速度に差があるのは、致し方ない事だ。
「スタンナックルっ!」
「っ!!!!」
「マジックスキャン」
「っ!!!!!!!!!」
「マイクロウェーブバースト!」
この日、豚の屠殺は、明け方まで続いた。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
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