表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/300

第39話 幼女殲滅 ~えっ? 吸血鬼ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

 上の階層に出てみると、グール、グール、グール。


 別に目が回っているワケではない。 ただ単に待ち伏せでもしていたかの様に劣化吸血鬼であるグールに囲まれているだけだ。


 どうしてバレたのだろう? だがなげいていても仕方が無いので、ここは探す手間が省けたと考えるべきであろう。


 さて、どうするかな。 取り敢えずは消毒液をバラいておいたから、近接だけは回避出来ているが。


 まあ隣でヘルが嬉しそうにもだえ苦しんでいるのはご愛嬌あいきょうだ。


「入れ」

「何ですかコレぇ、ちょっと生臭いんですけどぉ」

「ヒドラの皮だ」

「そんな物で大きな袋を作っているベイナ様にビックリですぅ」

「お前なんかこうちてやる!」


 確かにヒドラの皮は高級素材なのだろう。 でも手持ちで適当な素材がコレしか無かったんだよ。


 生乾きだろうが臭かろうが関係無い、グールに有効な攻撃方法を考えると、お前が邪魔なんだよ。 大体、アンデッドに即死魔法は通用しないだろ?


 後は安心して任せておいて欲しいのだ。 その袋なら大抵の攻撃なら防ぐ事も可能だし、何より死体の一部とか大好きだろ?


 だから抵抗なんてしないで、大人しく袋の中に収まっておけよ。 しばらくしか放置しないから。


「いやぁぁぁぁ~っ、臭いが体に染み付いてしまいますぅ!」


 嫌がるヘルの頭から袋を被せ、ちゃんとはしを縛っておく。


 こうすればグール程度に噛みつかれようが引っ掻かれようが無傷で済む事、請け合いである。


 そして用意するのは連続閃光術式、所謂いわゆるフラッシュバンの連続版だ。 スタングレネードの音無し版とでも思ってもらえば良いだろう。


 上空に飛び上がり、錬金術で作ったメッシュサングラスを装着する。 ガラスやプラスティックを持ち合わせていないので総鉄製で重量がちょっとヤバいのは内緒だ。


「連続ちぇん光術ちき展開、起動!」


 その時、擬似太陽光で溢れかえり、階層から色が消え失せた。 白い世界の中では、影すらも存在しない。


「んぎゃぁぁぁぁぁ~っ! 目がっ、目がぁぁぁぁ~っ!」


 ん? 誰の声だ?


 辺りを見回すと、無数に存在する盛り塩の様な灰の小山達。 その中で、モゾモゾと動く大きな袋。 見なかった事にしようかな。


 仕方が無いので、側に降り立ち、袋の封印を解いてみた。


 すると、ウサギ目になったヘルが涙ながらに訴えてきた。


まぶしかったですぅ、死ぬかと思いましたぁ」


 何やってるの、コイツ。


「外で何が起こるのかと気になって隙間を広げてのぞいていたんのですけど、凄い光でしたぁ」


 幼稚園児なの? 昔ウチで勝っていたバカ犬ですら「待て」くらいは出来ていたぞ。 愛玩動物的な愛嬌すら持ち合わせいないのだから、せめて大人しくしていて欲しい。


 何だか叱る労力すら勿体もったいなく感じてしまったので、相手をするのを放棄して、階層主を探す事にした。


 どうやらこの近辺に集まっていたグール達が階層の全てだった様で、魔力探査には敵の反応は存在しない。


 億が一にも有用な情報が得られるかも知れないので、一応聞いてみる。


「階ちょう主はドコにいる?」

「バンパイアは通常見栄っ張りなのでぇ、お城とか館にいると思いますぅ」


 いや、見栄っ張りとかの情報は別にいらないから、その館の位置とか教えろよ。


「で、ドコ?」

「そのうちきっと、見つかりますよぉ」


 取り敢えず殴り倒して、ふわりと上昇してみて、遠方を眺めてみる。 ん、アレか?


「あっ、あんな所にお城がありますぅ」


 うぉ、あ、そう言えばコイツも飛べたんだっけか。 でも妙にドヤ顔で見返してくるのがウザい。


 褒めると調子に乗りそうなので、さっさと城に向かう事にする。


「ちゃん連レールガトリングガン展開」


 挨拶あいさつは社会人の基本だからね。 今回は人型のモンスターなワケだから、シッカリと行おうかと思う。


 上空から接近し、周囲を旋回しながら城の形状を観察する。 うん、アレかな。


 城の上部にテラス付きの豪華な部屋を発見。 まあ間違っていた場合は、再度挨拶を行えば良いのだ。


「ファイヤぁ」


 粉微塵に砕け散るテラス、穴だらけになった壁、吹き飛ぶ調度品。 そして逃げ回るかのようにせわしなく移動する人影。 反物質弾頭に切り替えようかな? 一応階層主らしいし。


「貴様ぁぁぁ~っ! 城に入るなら、城門から来るのが筋であろうがぁ!」


 え、ヤだよ面倒臭い。 てか、あれが階層主で正解なのかな。 どれ、試してみよう。


「強化擬似太陽光ちぇん!」

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ~っ!」


 うん、正解だったらしい。 シッカリ苦しんでいるトコロをみると、バンパイアで間違いないっぽいし。


「デイライト・ウォーカーである私には、聖なる光など効きはしないのだぁぁぁ~っ!」


 って、ボロボロじゃん。 あ、見栄っ張りなんだっけか。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ