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第38話 幼女礼拝 ~えっ? 地下墳墓ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「ここが本当にちん殿なのか?」

「私を祀《まつ》る大神殿でございますぅ」


 ヘルの案内に従って来たとある小屋の地下、そこには礼拝堂と呼んでいる広間があった。


 個人的な印象は地下大墳墓のソレであり、神殿などと呼ぶのは遠慮したい。


 まあ死神とは言え、神の一柱《ひちはしら》だからね。 大神殿などと呼びたがるのも判らなくはない。


 でもね、普通にアンデッドがゴロゴロいるし、会釈《えしゃく》までしてくるんだぜ?


 やっぱりどう見ても、地下墳墓じゃねーか。


 確かに「上の階層への近道があるんですぅ」とか「お部屋で食事や休憩などは如何《いか》がですかぁ」との言葉に釣られた私も悪いんだけどさ。


 でもドコか強引な雰囲気だとか、蟻地獄《ありじごく》に引き込む様なカンジだとか、注意すべき点はあった様に思う。


「やっぱり別のルートから行くでち」

「ベイナ様、折角《せっかく》ここ迄《まで》いらしたのですから、部屋の先っちょまで入りませんかぁ? ねっ? 先っちょ、先っちょだけですからぁ!」


 部屋の先っちょって何だよ! 怪しさが爆発しているんだよ!


「お嬢様ぁぁぁぁぁ~っ! ヘルお嬢様ぁぁぁぁぁぁ~っ!」

「げっ」

「うぉっ」


 なっ、何か濃《こ》いのがやって来た。 執事服を着たマッチョ爺《じじい》だ。 何でだろう、見ているだけで殴りたい。


「お嬢様ぁぁぁぁぁ~っ、お帰りなさいませぇぇぇぇ~っ!」

「出迎え御苦労様ぁ、セイバス」

「とんでも御座《ござ》いません~~~~っ」


 あれ? 死神さんの顔が引き攣《つ》っているぞ。 どうした? あっ、コッチ見た。


「セイバス、こちらが今回、私達のご主人様になって下さったベイナ様よぉ。 ご挨拶《あいさつ》なさいぃ」

「はいぃぃぃ、私はお嬢様専門の執事であるセイバスに御座いますぅぅぅぅ~っ!」

「うむ」


 暑苦しい、殴りたい、暑苦しい、殴りたい。 ねぇ、殴り倒しても問題無い?


「セイバス、貴方の気持ちは嬉しいのだけれども、これからはベイナ様に仕えていただけないかしらぁ?」

「何ですとぉぉぉぉ~っ、折角《せっかく》のお言葉ですがぁぁぁ、このセイバスはぁぁぁ、死ぬまでヘルお嬢様にお仕えする所存で御座いますぅぅぅぅ~っ!」


 ちょっ、こんなのを押し付けようとすんなし。


「セイバス、死ぬまでと言ったけど、貴方はアンデッドで寿命なんて無いじゃないぃ?」

「つまりは永遠にお仕え出来ると言う事ですなぁぁぁぁ、恐悦至極《きょうえつしごく》で御座いますぅぅぅぅ~っ!」


 もしかして「先っちょ」ってコイツの事だったんじゃねぇの? 私だっていらねぇよ、こんなの。


「そんな事を言わないで、セイバス。 こちらのベイナ様は、私達の主人に相応《ふさわ》しいお方なのよぉ」

「はっはっはっ、お嬢様もお人が悪いですなぁぁぁぁ。 こんなチビッ子が我らの主人に相応しいとはとても思えませんなぁぁぁ」


 よし、フルバーストの蛙パンチで腹パンだぁ! 死にさらせぇぇぇっ!


「ぐふぉっ!」


 更に、倒れ込んだトコロに必殺のトーキックで打ち上げだぁ!


「ふんぎゃぁぁぁぁぁ~っ!」


 トドメは落下して来た物体を昇龍拳で迎撃フィニッシュ!


「ふぇげょべほらふぉぉぉぉ~っ!」


 はっはっはっ、正義は勝つ! 悪は滅んだぞぉ!


「ちょっ、セウバスぅ! 死んだのぉ? 死んじゃったのぉ? 何なら二度と起き上がらなくて良いのぉ!」


 もしもしヘルさんや、本音が漏《も》れてしまってますぜ。 まあ気持ちは判らんでもないが。


「うっ…お嬢様ぁぁぁ…、何だか幼女に撲殺される夢を見ていた様な気がしますぅぅぅ」


 ホントにシブトイな。 結構本気で殺す気だったんだが。


「セウバス、貴方は良く頑張《がんば》ったわぁ。 もう無理しなくて良いのぉ。 私はベイナ様と旅に出るけど、戻ってくるまでこの神殿をお願いするわぁ。 頼りにしているわよぉ」

「おおぅ、お嬢様ぁぁぁ。 このセイバス、お嬢様がお戻りになるまで、神殿を守りながら帰りをお待ちしておりますぞぉぉぉぉ」


 うぉ、こいつドサクサに紛《まぎ》れて厄介払《やっかいばら》いしやがった。 こりゃぁ戻って来る気が無いだろ。


「さぁベイナ様、今がチャンスですぅ。 さっさと上の階層に参りましょう」

「あれは良いのか?」

「良いんですぅ。 もう二度と会う事も無いのですからぁ」

「あ、うん」


 触れられたくないんだな。 何となくだが、その気持ち判る気がするぞ。


「ちょれで次の階ちょうの情報はあるのか?」

「バンパイアの階層とだけしかぁ知らないですぅ。 私には階層の移動制限がありましたからぁ」


 うん、そうだよな。 階層主が勝手に別の階層に行けるワケ無いよな。


「では次の階ちょうへ案内ちぇよ」

「喜んでぇ、こっちですぅ」


 暫《しばら》く進んで振り返って見ると、筋肉爺が腕を組んで天に祈りを捧げていた。 誰も不幸になっていないのは良い事である。 例えそれが勘違いの結果であったとしても。


 さあ、次の階層はどんな奴が階層主なのかな?


 お供も出来た事だし、増やしてみるのも良いかもしれないな。 まあ使えそうならなのだが。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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