第37話 幼女尋問 ~えっ? 職質ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「で?」
「はい、何とか出来ないかと思って、即死魔法を使いました。 効果は無かったですけど」
現在、ポンコツ死神に詰問を行っている。 言ってみれば職質だ。
対するポンコツは、土下座の状態で目の前に座っている。
しかし即死魔法か。 無効化したのは黒の因子かな? まあ魔力鎧の可能性もあるけど。
「これからお前には、下僕とちて働いてもらう」
「えっ、下僕ですか? 遠慮出来たりしないですかね」
「不満の様だな。 強力遠赤外線」
「うぎゃぁぁぁぁ~っ! 焼ける! 焼けますぅぅぅぅ~っ!」
うん、流石は遠赤外線だ。 中までジックリ火が通るカンジが非常にGOODだ。
「で?」
「はい、誠心誠意、お仕えさせて頂きます」
こうして質問の合間に教育も行っているので非常に効果的です。
えっ、死ぬんじゃないかって? いや、仮にも死神なんだし、そこら辺は不思議パワーで何とかしているんじゃない?
それにもし本当に不死ならば、肉の壁として使用すれば良いんだし、Win-Winの関係だよね。 誠心誠意で働けるんだから。
「面を上げよ」
「はい、あっ、可愛らしいご尊顔ですねぇ。 ねっ、仲良くしましょうよぅ!」
目や鼻から大量の汁を流しながら笑っている。 うん、汚いな。
「で、下僕。 名は?」
「ヘルと申します」
北欧神話かよ。 いや、単純に地獄の意味か。 まあドッチでも良いや。
「で、何が出来る?」
「即死攻撃とか死者蘇生とかアンデッド支配とかですぅ」
まんま、死の超越者だな。 どうして骸骨じゃないんだ? 偏見か?
それにしても気になるのは即死攻撃だよな。 やっぱり格上には通用しないのだろうか?
「で、ちょくち攻撃が有効な相手は?」
「主に格下と耐性が無い相手だけですぅ」
けっ、更にしょぼいじゃん。 こりゃ対雑魚要員決定か?
「で、ちちゃちょちぇいは?」
「へっ、もしかして死者蘇生ですか? 低確率で可能ですよぉ」
ホントに使えないな! お前が雑魚だとは思わなかったぜ。
「嗚呼っ、何ですかぁ、そのゴミを見る様な目はぁ! ぞくぞくしますぅ」
「けっ」
どうしょうか、この変態。 ひと思いに殺ってしまおうか?
「嗚呼っ、その虫ケラを踏み潰すかの様な視線にもぞくぞくしますぅ」
「うげっ」
げげっ、真性だったとは。 消毒すべきかな?
「滅菌光線!」
「うぎゃぁぁぁぁ~っ! ヒリヒリしますぅ」
ダメだ、殺菌力が足りない。 こうなれば過酸化水素水なんてどうだろう? 水に酸素をブチ込めば何とかなると思うし。
「オキシドール生成、噴霧」
「きょぇぇぇ~っ! 効きますぅ! 溶けますぅ! ぞくぞくしますぅ! 聖水有難うございますぅ」
えっ? 聖水って消毒液だったの? ドラッグストアに大量に並んでいたぞ。
「噴霧、噴霧、噴霧」
「濡れてきましたぁ。 ちょっとエッチな気分ですぅ」
ダメだ、変態は消毒液では滅菌出来なかった。 でもエチルアルコールは生成出来ないしどうする? あっ、そう言えば吸血鬼ってワインを飲むんだっけか。 なら無しだな。
ええぃ、寄って来るな、鬱陶しい! げしげし。
「嗚呼っ、幼女に足蹴にされてますぅ!」
何でチョッと嬉しそうなんだよ! この世界の雑魚って、別の意味でシブト過ぎるだろ!
「火炎放ちゃ!」
「うぎゃぁぁぁぁ~っ! コレは嫌ですぅ!」
はぁ、はぁ、はぁ。 悪は去った。
お前は、肉壁決定だ! でも気持ち悪いから連れて行きたくないんだよな。
おかしいな。 ちょっと雰囲気もあったし、使えそうな気がしたんだけれども、こんなんだったとは。
あれ? これってポンコツ妖精と同じパターンか?
運命なのか? さだめなのか?
私が女をテイムすると、雑魚変態になるパターンなのか?
「次は聖水中心でお願いしますねぇ」
あっ、もう完全復活してやがる。 勘弁してくれよ。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
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