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第34話 幼女休養~えっ? ベッドですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

 うーん、良く寝た。


 ん、攻略はどうしたのかって? だってベッドだよ、湯浴ゆあみだよ。 久しぶりにユックリ眠れる環境なんだよ。


 そりゃあ2~3日は休養にてがうってもんですよ。 この先(しばら)くこんなチャンスは無いと思うし。


 あんな使えないポンコツ妖精でも、身の回りの世話くらいなら出来るからね。 有効活用だ。


「お早う御座います、ベイナ様」

「うむ、苦ちゅうない。 朝ちょくの準備は?」

「暫くお待ち下さい。 すぐに御用意致します」


 ね? 私の懇切丁寧こんせつていねいな指導によって、これくらいは出来る様になったのだ。 態々《わざわざ》壊れる一歩手前まで追い込んだ甲斐かいがあるというモノである。


 本音を言えば風呂を用意させたかったのだが、火属性は苦手だとか言って泣きを入れやがった。 根性なしめ。


 まあ確かに天空城ではまきにさえ苦労しているらしく、顔の形が変わる程度で許してやった。 優しいな、私。


 どうせ攻略には役に立ちそうもないのだから、ここから連れ出す予定もないし、寛大な措置と言って良いのではなかろうか? マジ女神でしょ? どーよ。


 今日は、この城を見て回る予定だ。 攻略に役に立つモノがあるかも知れないから、一応ね。


 あ、そうそう。 上層への階段はこの城の中に存在するんだよ。 階層の情報が無ければ一生気が付かないところだったね。 攻略させる気が無いのかな?


 いや、逆か。 本来であれば上から下へ攻略するのだから、問題にすらならないのか。


 下から攻略するのって、こんな障害もあるんだな。 もしかして階層主を倒すと得られる情報って救済措置きゅうさいそち? そんな事をする位なら上から下へ攻略させりゃあ良いのに。 まあ逃げていたかも知れないケド。


「ベイナ様、お食事の準備が整いました」

「うむ、ご苦労」


 まあ考えても仕方が無い、食事の後にでも書斎でもあさるかな。 何か有益な情報とかがあるかも知れないからね。


 食堂に行くと、一人分の朝食がそこにあった。 ロールパンとベーコンエッグにサラダ、ティーポットにカップ&ソーサー、ナイフ&フォーク。 おおぅ、マトモなモーニングセットだ。 ちょっと嬉しい。


 テーブルを回って椅子に到着する。 くそ、のぼづらいな。


 何とか着席してテーブル上にあるナイフとフォークに手を伸ばすが、届かない。 椅子いすが低すぎるのだ。


「クッちょンをもて」

「は、はい」


 お尻の下に3枚重ねでクッションをいて実食開始。 うん、美味おいしい。


 ベーコンエッグの黄身はトロットしていて、ソースとしても優秀だ。 個人的にはとんかつソースが欲しくなるが、日本のメシテロが出来る知識も無いので仕方無く我慢がまんする。


 別に不満があるワケでは無いのだが、サラダに掛かったオリーブオイルとワインビネガーのドレッシングよりは、マヨネーズか青じそドレッシングが欲しくなるんだよね。


 結局日本人って、食に対するこだわりが高いから、こういった部分で物足りなさを感じてしまうのは宿命みたいなモノなのだろう。


 とは言え、保存食っぽくない食事は久しぶりなので、やっぱりちょっと嬉しいのはホントなのだ。 感謝して頂くべきなのだろう。


 最後に紅茶にレモンをしぼって口の中をサッパリさせて食事は終了、ナプキンで口をぬぐって席を立った。


 イギリス人ならミルクティー以外は怒り狂うのだろうか? そう言えばダンジョンでミルクって入手可能なんだっけ?


 そもそもこの城の補給ってどうなっているのだろう。 粉ミルクの代わりに血を飲まされて育った身としては、原材料を知りたくない気もするが、何となく知っておいた方が良い気がするんだよね。 もう分類上は異世界人なワケだし。


 いや、そもそも人間に分類されるのか、私。


 普通の人間は空なんて飛べないし、魔力鎧まりょくよろいなんて展開できない。 まあ、技術があっても魔力不足で維持できないのだ。


 私は別に常時発動していても不足する事なんてないんだけど、なるべく歩いたりする様にしている。 そんな事をしていたら筋力とか発育とかに悪影響が出そうだからね。 3才児だし。


 魔力鎧に関しても、優秀過ぎて細菌なんかも殺してしまうから、免疫力めんえきりょくの関係上使用していない。


 逆に言えば、人間なのに空中戦や空爆さえも行える空中装甲戦闘爆撃機みたいなモノなのだ。 まあ人間相手なら、竜騎兵であっても余裕で蹂躙じゅうりんできる能力があるので、カテゴライズとしてどうかと思うだけなんだけど。


 今の私なら、城塞都市であっても常備軍を蹂躙じゅうりんしつつ殲滅せんめつ出来ると思うし。


 アカシック先生の記録から推察するに、人間には強力な個体ってほとんど存在しないみたいなんだよね。 ていに言えば、雑魚の集まりってカンジで。


 ふむ、考えるのはよそう。 魔女様なら余裕で私に勝てると思うし、上には上がいるのだ。 てか魔女様って本当に人間? 疑うならそっちにしろよって話だしな。


 さて、そんなどうでも良い事は置いといて、書斎でダンジョンの情報でも入手するとしよう。 攻略にそこまで苦労するとは思えないが、念のためにね。


 場所はバッチリ記憶として存在するので迷う事も無い。 便利だな、階層の情報。


 到着した部屋の前には立派な扉、そういや本って貴重品なんだっけか? 別に泥棒が出るワケでもあるまいし、こんなに重たい扉にする必要は無いと思うんだけどな。


 身体強化と飛行魔術を解禁して、立ち並ぶ本棚の間を妖精の様に可憐に舞って散策する。 えっ、ガンシップの間違いじゃないかって? うっさいわ!


 えーとダンジョン、ダンジョン、ダンジョン…っと、あったあった。


 うっ、意外と重いな、紙じゃなくて羊皮紙だからか。 何々、『ダンジョンに住まう鎌鼬かまいたちとウインドドラゴンについて』…もうちょっと早く出会いたかったよ、次、次。


『ダンジョンに住まう岩亀とグランドドラゴンについて』…君も出直してきなさい。


『ダンジョンに住まう雪猿とアイスドラゴンについて』…君はそこで大人しくしていなさい。


『ダンジョンに住まうサラマンダーとレッドドラゴンについて』…君は廊下に立っていなさい。


『ダンジョンに住まうヒドラとブラックドラゴンについて』って遅すぎるねん、嫌がらせか? 嫌がらせなんだな。 次だ次!


『ダンジョン環境学、雪猿の皮で作った防寒着は灼熱地獄しゃくねつじごくで役に立つか?』って、ちゃうねん。 そっちやないねん。


『ダンジョン生存学、岩亀を如何いかに調理するか』って、そっちでもないねん。


『ダンジョン恋愛学、シルフィードを落とすには…好みの食べ物からファッションまで完全網羅(もうら)』って誰があんなポンコツを狙うねん。


 なぁ、ここにある本ってオカシくない? てか、著者は誰やねん。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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