第25話 幼女懐疑~えっ? 最下層脱出ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
ふぅ、よく寝た。
あっ、どうも。 気が付いたら何故か、階層主になっていたハイガンベイナ3歳です。 今はセーフエリアにいます。
いやぁ、良かった。 うん、良かった? 良いのか? まあいいや。
ホント、何時階層主になったんだろう? いやね、階層主になって判ったんだけど、この階層には隠しボスなんて存在しなかったみたいなんだよね。
ただ一寸気になっているのがタイミングでね、遅いと言うか何て言うか。 タイムラグ? それともあの時ボスは死んでないが大怪我を負っていて、それが致命傷になったとか?
記憶違いなんて事は無いと思う。 階層主になった今の状態では、ハッキリと通路とか上層への出入り口の位置までも判るんだもの。
確かに昨日の段階では、「明日は上層への道を探さなきゃいけないな」とか思ってたし。
やっぱり殺しきれていなかった? 下手したら逆襲されてた?
うん、油断ダメ、絶対。
まぁ、反省はこの程度にしておくかな。 確定したワケじゃないんだし。
ああ、それと私、レベルアップしたみたい。
いやね、何か魔力量が増えてるなーって感じたんで、アカシック先生で調べてみたんですよ。 そしたら宮廷魔導士をぶっ千切り、賢者や魔女に匹敵するくらい強くなってやがんの。 あっ、魔女様は別だよ。 あの人は次元が違うから。
でもまあ、魔力量が大幅アップしたのは嬉しいかな。 私ってば物理関係はダメダメだから。
やっぱりヒドラを結構倒したのが良かったのかな? それとも黒竜かな?
物理は置いといて、魔術関連なら黒竜と渡り合えたワケだから、伸ばすとしたらそっちだろうし。 もしも似たような状況に陥った場合には魔術だけで蹂躙したいかな。 近接は無しの方向で。
となるとアレかぁ、魔術のバリエーションを増やして多彩な攻撃手段で追い詰める的な。 ネックになるとしたら、戦闘経験の少なさかな。
戦闘経験の蓄積を優先させるか、魔術の開発を優先させるか。 ん~む、悩むなぁ。
魔術の得意な相手なら両方とも実現出来そうだけど、ヒドラみたいな固有能力じゃあ参考にならないし、物理ゴリ押しでくるパターンは鬱陶しい。
かと言って、ここで魔術の開発って言っても捗る気がしないんだよね。 そんなに簡単に、ポンポンアイデアが湧き出るとも思えないし。
アレだな、行くか。 弾の補充を済ませた後で上の階層まで。
となると、炭鉱夫ごっこの再開だな。 まあ錬金術で抽出するだけだから、穴は一つも掘らないケドな。
両手を壁に添えて錬金術でチマチマポロポロ。 うーん、地味だ。 物語のダンジョンなら、宝箱とかダンジョン産の鉱物資源とかが出てくるんだろうケド、何一つ無いんだよね。
それは別に魔女様が悪いワケじゃなくて、この世界のダンジョンでは、基本的にお宝は出ないらしい。 というか、そう言った発想が無いみたいなんだ。 寧ろダンジョンマスターがいる事自体稀だし、いたとしても動物園の感覚に近い。
イメージ的には巣穴に近いかな? もしくはモンスターの集落的な。
だからダンジョンは、資源としての意味は無くて危険地帯か、腕に覚えのある者にとっての狩場としての意味しか無いだよね。 そりゃあ死にたくないだろうし、モンスターに囲まれる場所なんて近寄りたくないか。
あ、そうそう。 この世界では所謂冒険者って存在しないんだ。 腕が立つ人って大抵、国や貴族に属しているか、豪商の用心棒や護衛になっているっぽい。
勿論薬草採集を行っている人もいるんだけど、どちらかというと農家や猟師、山人ってカンジかな。 まあ最低限のモンスター程度なら狩れないと仕事にならないみたいだし。
感覚的にはゴブリンやコボルとは山犬、ボアやオークは猪、大型のモノは熊って感覚だと言えば判るかな?
あまり大きな個体だとかだと生態系が維持できないから、生存出来ないんだよね。 仮に人を食べる様なモンスターって、餌の多い都市部周辺が住処っぽいし。
当然都市部には衛兵とか私設軍とかがいるので、それでも問題は無いみたい。
何故異世界物語では当たり前の様に冒険者が存在するのかな? モンスターや盗賊と戦いたいなら兵士にでもなれば良いし、山菜とかが趣味なら山人になれば良いワケだし。 もしかして掃除とかの雑用が趣味? ワケ判らん。 大体、何でも屋って中途半端だし、スペシャリスト以下だよね。
えっ、傭兵になりたい? 平時の仕事はどうするの? 普通は本業があるよ? 野盗でもするつもり? そっちで死ぬよ。
まあ冒険者はどうでも良いんだけど、魔術だよ魔術。 個人的に取得したいのは治癒魔術と対アンデッド魔術。
治癒は細胞や抗体の活性化で何とかなるっぽいけど、刃物もないのに自傷行為ってハードすぐる。 えっ、食中毒にもチャレンジって? 紙すら無いのに、やらないよ。
対アンデッドはまあ、炎なんかも有効っぽいんだけど、使用する場所が限られるから何とかしたいんだよね。 ゴーストに対する有効手段を確保するまでは安心できないし。
そもそも聖魔術って何だろう? 一応教会っぽいのは存在するみたいだし、祈祷だか念仏だかお祓いっぽいのと魔力でゴニュゴニョすると何とかなるらしいんだけど、本当に意味不明だ。 まあコレは対峙しないと確かめ様も無いんだけどさ。
よし、そろそろ行こうかな。 準備も出来たし。
洞窟の外は…っと、うん、何もいないな。 魔力探査にも反応が無いし。 まあ、ヒドラ程度には負けないけどね、一応の確認だよ確認。
上に向かう道があるのは、あの黒竜がいた場所の奥なんだ。 結局、倒さないと上には進めなかったんだよね。
そもそも最下層からのスタートって変じゃない? そうじゃないと、攻略しないだろって? まあそうなんだけどさ。 納得出来ないって言うか何と言うか。
おっ、あんなところに逃げ遅れたヒドラが。 うん、悪即斬だ。 死ね!
勿論「核」は使用しないよ、反物質が核に該当するかは別として、オーバーキルだからね。
やっぱりヒドラは逃げてるっぽいな。 ほんの数日前の事が嘘みたいだ。 これもレベルアップ効果って言えるのかな。
RPGの最初に苦労した相手が、中盤では雑魚扱いになるみたいな印象だな。 本当にあるんだ、こんな事。 ビックリだよ。
でも意外なくらいサクサク進む。 まあゲームと違って、相手が逃げていくんだから、当然かも知れないけど。
おやっ、もう見えてきたぞ、例のモクモク山。 まあ地形は全く元に戻っていないケド。 放射能とか大丈夫かな? 魔力鎧に期待するとしよう。
おおぅ、こんな処で戦っていたのか? よく生きていたな、私。
扉というか門というかは健在だ。 壊した覚えが無いから当然か。
えっ、階段? 外には空もあるんだよ? これを登れば良いのかな。 足を使って登れ? 3歳児に無茶言うなし。
うーん、何だろう。 上に行けば行く程、熱くなってくる。 うん、何だか赤っぽいし。
コレは、アレですか。 うん、ですよねー。 「熱」+「赤」だもんね。 期待を裏切ってくれても良いんだよ?
少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




