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第16話 幼女探索~えっ? 詰将棋ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「わたちは返って来たど~!!」


 セーフエリアで数ヶ月、やれる事は大体やったと思う。 まあ、やり残した事が後から出てくるかもだけど。


 試射しまくったり、魔術の基本を憶えてみたり、気になった魔術を憶えてみたり。 そんな月日だった様に思う。


 まあね、幼女のからだだとフィジカルがダメダメだから、仕方しかたが無かったんだよ。 移動するだけでも制約があるレベルだし。


 それで思いついたのがジェットでストリームな三連星のアレ。 ホバークラフトの様に移動出来ないかと考えたワケだ。


 乳幼児の段階でブラックドラゴンの飛行モドキが行えていた事を思えば、そう難しい言ではないだろうと。


 しかも空気噴出式と違い、高度の制限も無いほか風魔法などによる加速も可能だし。


 あ、そうそう。 魔術の並列起動だけど、意外なトコロに解決策があったよ。


 エクスプロージョン、所謂いわゆる爆裂術式だけど当然、本人とは離れた地点が起点となる。


 もし魔力炉で発生した魔力が、魔力路を通っててのひらなどから魔術が発現しているとするなら説明がつかない。


 実はその事に関しては、魔女様の人体実験や解剖によって、明確な魔力炉や魔力路に該当する機関が存在していない事が判明している。


 そのため魔女様謹製(きんせい)の魔力増幅薬は、魔力暴走に近いカンジで負荷を掛け、強制的に上限値を引き上げるモノらしい。 まったく何て物を私に使っているのよ!


 アカシック先生経由で知る魔女様の研究結果は、実験内容にさえ目を向けなければ非常に有用な物であり…、有難ありがたく利用させて頂きました。


 やみが深いよ、魔女様! 本気でちびっちゃたじゃなか。 マッドサイエンティストが裸で土下座するレベルだよ!


 こほん。


 えーと、魔術は一般的に空間に対し術式の展開を行い、呼び水として魔力を注入し、引火したらドバドバ注ぎ込むカンジだ。


 例えば亀さんの「」みたいに、打ってる最中に出力アップが行えるって事だ。


 ポイントは任意の点に対して複数の術式展開が可能って事かな、魔力路とかを無視して。


「乳幼児の時は飛行魔法でちたが、今回は飛行魔術でちゅ」


 ふわりと30センチほど浮かび上がって、ゆっくりと周囲を見回す。


 うん、これはアレだ。 グランドキャニオン的な。


 場所は谷底。 水こそ無いが私の頭ほどある石がゴロゴロと足元に転がっている。 移動魔法を準備していなければ、んでいたな。


 少しは落ち着いたので周囲を観察すると、私が出てきた洞窟どうくつが1つ。 セーフエリアへと続く我が家である。


 洞窟と言うか洞穴ほらあなと言うか、そういった隠れられそうな場所が点在する事に安堵あんどする。 緊急避難先としては多少は有効ではなかろうか?


 続いて上方へと目を向けると、高台になっている場所がチラホラ。 気になって魔力探査を行うと、視界と同じ様に陰になっている事に失望する。


「レーダーみたいでちゅ」


 不安を頭の片隅かたすみに追いやりながら再度、周囲の観察に戻る。


 蛇行しながら進む谷底は、思いの外死角が多い。


 続いて空。 そう、空があるんだよ。


 今まで洞窟の中や、外に出ても直ぐにヒドラに接敵した関係上、空を見上げる余裕なんて無かったから記憶の片隅にも残っていなかったよ。


 空中でのヒドラとの高機動戦を想像してみる。 うん、無いな。


 ヒドラが軽戦闘機のように舞えるとは思えないし、私にだって無理だ。 あるとしても、地上からの対空射撃くらいだろうか。


 ならば気を付けるのは遭遇戦だな。 周囲の警戒と臨機応変な対応、決して無理をせず撤退を視野に入れた立ち回り。


 しばらくは経験値をかせぐくらいの感覚で充分だろう。 無理に攻略を急ぐ理由は無いのだから。


「ちゃん連レールガトリングガン展開、ハイガンベイナ、発ちんちゅる!」


 ほぼ2メートルのパイプを3つ束ねただけのモノを腰だめに構え、30センチ程度浮き上がった状態でユックリと加速していく。


 今日は走行試験だけでも良いかも知れない。 単純に進んでいるだけでも神経を使う。


 チラホラと転がる大岩が進行と視界を遮るのがウザい。 進むだけで神経を使わされるのは、神経がゴリゴリ削られる気分だ。


 しかも速度を上げるだけで処理する情報が増えるので、周囲警戒がおろそかにならないかの不安もある。


 魔力探査を行っているとはいえ、ドップラー・シフト・レーダーじゃあるまいし移動目標だけピックアップ出来るワケではない。


 走っている車から見える人が、歩いているのか止まっているのかの判別が難しいのと同じで、難易度が高くなるのだ。 飛んでいるでも無い限りは。


 いや、それ以前に大岩とヒドラの区別が付くかどうかも怪しいので、都合良く索敵すら出来ない。


 やはり赤外線スコープか何かを魔術で作成しておくべきだったか? 失態だ。


 早期警戒管制機や電子戦機の様な情報収集が行えるとは思わないが、攻撃ヘリの索敵機能など参考にする方法はあった様に思う。


 これじゃあトヨタのテクニカル並みだな。


 ニュータイプにはなれそうもないので、気配で察知出来るでも無し、もっぱらは目視での確認のみかな。 経験を積めばソナーマンの様に、ずば抜けた察知能力でも身に付くこと期待しよう。


 ん? アレは?


 思い出したくもないトラウマが、背中を向けて休んでいる。 勿論もちろん気付かれてなどいない。


 当然だ。 こちらは足音すら立てていないのだから。


 近くの大岩に身を隠しながら、レーザーポインタで狙いを定める。


 さあ、復讐を始めよう。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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