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第100話 邪教徒編 ~えっ? 崇拝ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「はっはぁ~っ」

「う、うむ」


 何故かジアンヌ・オルレアン嬢一行に崇拝される幼女、ハイガンベイナ4歳です。


 どうやら解放軍を殲滅せんめつした神罰が強烈過ぎた様で、平伏して目も合わせてくれない。 怖くない幼女だよー、だから震えるのは止めてくれないかな。


 まあね、普通にガヤガヤ言っていた集団が次の瞬間には肉片になっていたのだから、理解出来なくもない。


 でもさぁ、そのままじゃ話も出来ないから、せめて顔を見せて欲しいんだ。


「面を上げよ」

「はい、仰せのままに」


 うん、すっかり怯えきっているね。 変顔でもすれば笑ってくれるのだろうか?


「えーと、何だ。 抹殺した叛徒の装備などを拾い集めたいと思います」

「はっ、今すぐにっ!」


 言うが早いか、オルレアン嬢達は立ち上がり、死に物狂いでよろいや剣、所有物などを集めだした。 別にゆっくりやったからって、罰したりしないよ。


 まあ何だ。 こういった戦場で敵の所持品などを奪うのは常識だし、中世の騎士なんて、略奪をしないと生活すら成り立たない連中もいたらしいからね。


 日本の戦国時代はもっとアグレッシブで、裸に近い恰好で戦場に趣き、合戦の最中に敵将などに挑みかかって、その場で追い剥ぎの様な真似をして稼いでいた連中もいたらしい。


 今回私が敵の装備の回収を命じたのは、私の懐を潤す意味もあるが、多くはオルレアン嬢達のためだ。


 まあ財政が苦しいみたいだし、少しくらいは補填できればと思っての事なのだ。


 私個人の事情としては、ハトリの予備の武器が欲しかったってのもある。


 別にハトリは武器を雑に扱っているワケではないのだが、人間用の武器はもろすぎるらしい。


 まあね、文字通り人間離れした膂力りょりょくによって振るわれる剣は、結構簡単にポキッと折れる。 若しくは曲がる。


 それにバスターソードにしても、鎧ごと両断する武器じゃないからね。 刀身はまだ何とか耐えるっぽいんだけど、グリップの周辺がポッキリとなったのが結構あるんだよ。


 この世界に斬馬刀とかはあるのだろうか? 強度的にはその位のモノが切実に欲しい。 献上でもさせるかな。


 さて、拾い集めている連中はどうなったかな? ってうぉっ! けっこうグロいな。


 鎧などにこびり付いた肉片を、素手でこそぎ落としながら掃除している。


 もちろん血脂ちあぶらなんて簡単に拭き取れるモノではないからベトベトなんだけど、鬼気迫る表情で綺麗きれいにしようとしているんだ。


 しかも顔色は蒼白かったりするんだよね。


 中には吐き気でも催したのか、口の周辺に血糊をベットリ塗りたくった者達もいる。


 これはイカンな。 人間の死体ってのは、細菌やウイルスの観点から最悪なんだ。


 私やヘル、ハトリには問題は無いんだけど、人間達にとっては病原体と大差が無い。


 人間に感染する細菌やウイルスは、人間の体内にこそ多いのだ。


 例えば誰かが過去に風邪を引いたとしよう。 すると抗体などが体内で作られていて、表面上では治った事になっていた場合でも、菌やウイルスなどは体内に残ったままだ。


 しかしその風邪に対する抗体などを持っていない人からしたら、その内蔵や血肉は病原体と大差は無い。


 カニバリズムが禁忌とされるのは、別に善悪の問題だけではなく、医学的な見地からもタブーなのである。


 実際に過去には、死者を食べてとむらう部族が絶滅寸前の状態で発覚した事などもある程だ。


 当然これは全ての動物にも言える事なので、肉食獣の多くは、本能的に同族は食べない。


 だから死体を触った手で、口を押さえるなんて、今すぐ止めさせたい。


 そんなこんなで、口のまわりに血糊ちのりがついている連中を注意したいと思う。


「おい、口の回りに血がついているぞ」

「ひぃぃぃぃ~っ! 吐いて汚したりしませんから、殺さないで下さい! お願いします、この通りですからっ!」


 おうふっ、土下座されてしまった。 別に殺したりしないよ?


 何だかドツボにハマりそうなので、そっとしておくしかないみたい。 何だかなぁ。


 とは言え、ポツポツと収集物が集まりだしたので、一応分配について話しておこうと思う。


「オルレアン嬢、オルレアン嬢はいるか?」

「はっ、はい、只今っ!」


 おう、こっちも一杯一杯だな。


「分配について話し合いたいと思う」

「全てお納め下さいませっ!」

「まあ待て、そこまで鬼ではない」

「しっ、失礼しましたっ!」


 話が進まんがな。


「大型の武器については、こちらで引き取りたい。 片手剣や防具などは、そちらで処理して構わない」

「はひぃ、有難う御座います」

「金品については折半してはどうかと思うが」

「全てお納め下さいませっ!」

「折半な」

「はい、折半致しますっ!」


 何だか恐喝しているみたいじゃないか。 どんだけ恐れられているんだか。


「収集後、死体は全て焼却処分とする。 それと、手や口のまわりが汚れた者は、後ほど綺麗に洗うように!」

「はい、全てご指示に従いますっ!」


 まあ、病気が蔓延したら、気分が悪いからね。 ある程度の衛生管理は必要だと思うのだ。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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