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本日も学校へ逝きます  作者: 室町五丁目
放課後

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40/40

全てが新たに復活

 俺らが命を呈して守った3組の名誉。代わりに失ったモノもある。


 まず初めに我がクラスだが。

 3組に所属している連中は全員頭がイカレているとされ、「魑魅魍魎の巣窟」ということで、魔界の3組と呼ばれるようになった。

 これに関しては、全員一致で了承したので結果オーライである。


 千葉奈美こと関取は、イノシシのように直線的に進んで相手を破壊する。その際、巨大な胸をブルンブルン震わせながら突進してくる様をなぞらえ、みんなから「巨牛」と呼ばれるようになった。


「お前、関取から巨牛に昇進したな」

「うるさいわよ」

「いいじゃねぇか。なかなか似合ってるぜ」

「アダ名を付けた奴は絶対に許さないんだから」

「まあ、名誉の負傷ってことで」

「内臓破裂は目の前だからね!」


 鼻息をフガフガさせていた。

 アダ名を付けた奴、Good job。


 次に小池だが、元々他人の事など気にも止めず、誰が何を言おうと関係ない姿勢で生きている。常に淡々としているため「担々麺」というアダ名が付いた。


「お前、担々麺って言われてるな」

「あんたは、空前絶後だけどね」

「空想絶倫?」

「……バカに付ける薬はないわね」


 この間の社会のテストでまぐれの100点をゲットした。それを見た小池は俺を睨みつけ、点数部分を折り曲げて見えないようにした。


「お前、何点だったの?」

「そんなのどうでもいいでしょ」

「ちょっと見せろよ」

「イヤ!」


 頑なに拒否するので諦めたが、折りたたむ前に9の数字が見えた。たぶん90点台だと思う。俺に負けて相当悔しかったのだろう。しばらく口を利いて貰えなかった。

 ってか、100点を取れって言ったのお前じゃねぇかよ!


 友則克己の人類最低コンビは、何も変わっちゃいない。克己は「全女性の仮想敵国」と言われ、本人は「ラッキー」と喜んでいる。友則に至っては、相変わらず脳筋ゴリラである。


 そして寒川の場合……。


 彼は優しく妹想い。自分を顧みず、妹を助けるために全力を尽くした英雄として「今世紀最高の美男子」と呼ばれるようになった。

 それが功を奏して、妹は笑顔で登校するようになった。

 歯車が一度でも回り始めると、そこから止まる事はない。彼女も自然と仲間に溶け込むようになり、今ではおしゃべりになったらしい。


「夏樹ちゃん、元気になって良かったな」

「これもお前のお陰だよ」

「なんのなんの」

「感謝するよ」

「……ところで寒川」

「ん? 何だ」

「お前、今回のテスト何点だった?」

「俺は98点。お前こそ何点だよ」


 俺は自慢げに点数を見せた。


「ひゃ、100点!?」

「どうだ。スゲェだろ」

「まさかお前が……」

「ま、これが俺の実力だ」

「カンニングしたろ」

「誠君。これにめげず君も頑張り給え!」


 奴の肩を叩き、高笑いで席へ戻った。その顔は悔しさを滲ませた怒りの表情だった。

 小池といい寒川といい、不機嫌にしかめっ面をするのは何故だろう。

 100点を取れって言ったのは、貴様らだろうがっ!



 最後に俺。

 全校生徒から「アンタッチャブル三次」と噂されるようになった。

 言っている意味がこれっぽっちも分からなかったが、何となくフレーズが格好いいので良しとする。


 それぞれの立場が決まって、ようやく我がクラスらしくなってきた。これから先、こいつらと苦学を共にする。他人から仲間へ。

 今回の事件は、3組の結束を深めるための儀式だったのかもしれない。


 俺は天下泰平、百害あって一利なしの宮本三次だぁぁぁ。




【第1部 完】




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