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女神は死神(仮)へ再就職希望しましたっ!  作者: き・そ・あ
第1章 死神さんと運命の女神と
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17 コーンスープ

「おぉい!?」


 コンコン


 扉をたたく音が聞こえる。

 私は目を覚ましていた。

 今は死神教会でもらった部屋の中。ベッドに横になって起きれない。

 この部屋、昨日のうちに執事さんが片付けちゃったの!

 夜、死神さんと帰ってきたら綺麗に片付けられてて、昼間みた物置べ部屋が嘘みたい!

 扉の向こうで執事さんがドアをノックしている。


「寝てるんですかぁ?」


「・・・」


 そんなことで返事をするようなバカ、いるわけないじゃない!

 レアと執事さんは本当に馬が合わないようです。

 あ・・、くしゃみが・・


「っくちゅ」


 あ・・・。


『・・・』


 執事さんの声が聞こえない。

 諦めたのかな?

 レアはベッドから身を起こし、近くにあった枕を抱きしめて、昨日のことを思い出していた。

 どうしても、2人の死んだ人間が頭から離れない。

 いままで、ずっと見てきたのに。


【優しく、冷たい神でいる必要がある】


 死神さんに雪山で言われた言葉が頭の中をクルクルと回っている。


「はぁ。・・・」


 いけない。考えてたらため息が漏れちゃう。


 バガァン!!


「っ!!??!」


「はぁ。じゃねーよ!!飯が冷めるってよびにきてんだろーがぁあ!!」


 目の前を、部屋の中に部屋のドアだった一枚の板が飛んできた。

 壮絶な破壊音と、執事さんのキレた叫びに言葉。口で荒々しく呼吸し肩が上下に揺れる姿。レアは言葉を失い、恐怖で枕を抱きしめる力が一層強くなる。


「朝飯だ!!」


「・・・は、はぃ」


 蹴り飛ばして、ドアを破壊した事へのお詫びは一切なく、ベッドで縮み上がるレアにまるで狼か野獣のような鋭い瞳で『あさめし!』と言い放つと、レアが起きていることを確認して下へ降りていった。

 な、なに!?この家。朝ごはんに呼びに来るのに普通ドア蹴り破る??


 っていうか・・・。ドアないのに、ここでパジャマから着替えろとあの人言ってるの?

 そっと、廊下に顔を出すと、誰もいないことを確認して、仕方ない。と割り切りそそくさと着替えてレアも1階の食堂に向かった。



「おはようございます」


「おはよっ!その様子だと、昨日のことを考えているようだね?」


 テーブルに用意された朝ごはん。

 死神さんは先に食べ始めていた。

 まだ、ローブをかぶってる。いつも被ってるんだなぁ・・・。


「その、・・・はい。」


「今まで、魂の回収をしていた女神の仕事とは違うかい?」


「・・・はい。なんていうか、命の重みがちがいます。もらった魂を展開へ運ぶだけ、なんて思ってたのに。人間の魂、アカシックレコード。死神にならないとわからないこともたくさんあって、死神にしかない辛さも、悲しさも、もどかしさもあります。今は、それがうまく消化できなくて・・・。頭と心がモヤモヤします。」


「みんな、そんなもんだよ。その重みに耐えられるか、耐えられないか。」


 レアは、正直しんどい。女神のまま、何も知らないままのほうがよかった。


「レアは・・・」


「僕から一言。いいかい?君は優しい子だ。君は、今すごく悩んでいる。でも、もし、この執事くんみたいな死神が来て、どんどん人間を殺して行ったらどう思う?」


 チラッと視線を執事さんに向けてみるも、執事さんは目線を合わせようとはしてくれなかった。むしろ、聞いていないふりをしているようだった。


「そりゃ、死神を1日でもやったレアからしたら、イヤです!」


「そしたら、君が、、レアが納得いく仕事をしたほうが人間にも、君にもいい結果になるんじゃないかな?僕は君のこと、才能あると思うよ?」


「し、死神様、そんな適当なことを言われては。このような小娘に才能などとは」


「おろっ?執事くん、きみ、昨晩からずっとレアちゃんのこと気にしてたよね?」


「!!?・・」


(え?執事さんが?レアを?)


 再び執事さんに視線を送ると、目が合った、まだ、まともに見たことは1回しかない緑の瞳、その瞳は急いでそっぽを向かれちゃった。

 死神さんはウインナーをかじりながら執事さんをニヒヒっと笑っている。


「・・・さっさと食え」


 なんか、小声でボソッと言われても、聞こえないよ。


「・・・えっ?」


「いいから、さっさと食って仕事に行けッ!」


 聞き返したレアに、顔を赤くして執事さんは声を上げるとエプロンを椅子にかけて、食堂から出てそのままどこかへ行ってしまった。

 そんな執事さんの後ろ姿を『意味がわからない』、といった顔で見ていると、死神さんは優しい口調で教えてくれる。


「執事くんも、君が気に入っているんだよ。女の子だし、接し方もわからないんじゃないかな。自分から君

 を起こしに行くなんて、彼はそうそうしないよ。精神的にきついかもしれないけど、もう少し頑張ってみて。もっと死神のことを知って欲しいし、本当に嫌なら相談して欲しい」


 珍しく、まともな口調で話してくれる死神さん。

 確かに、・・・あそこまで心配してくれるのはありがたいけど。


(でも、扉を蹴り破るのはやっぱりやりすぎよねぇ)


 部屋の扉がなくなって、今日からどうやって寝ようか考えながら、目の前に置かれた少しぬるくなったコーンスープに手を伸ばしました。

 なんだか、とってもあったかい味がします。

やっぱり朝ごはんって大事ですよねっ!

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