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僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター16
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言葉なき旅人 2

「あう! うー……あー……」


「あー……えっと……何?」


 線路を歩き、俺達は目的の駅へと到着した。そして、そのまま改札口を出る。


 そこは、かつて、俺と古谷さんが出会った場所だった。


「あう! うあー! あう!」


「……ごめん、紫藤さん。全然わからない」


 そして、今隣にいるのは、紫藤さん。


 ゾンビになったはず……だったのだが、そうではない。


 いや、ゾンビにはなっていると思う。しかし、どうやら紫藤さんに意識や理性は残っているようである。


 ただ、問題は言葉だった。


 紫藤さんはどうやら、言葉をしゃべることができなくなっているらしい。


 小室さんや古谷さんとはまた違ったタイプで特殊例、ということなんだろうか?


「あう! う~……」


 紫藤さんはどうやらまた怒っているようだった。


 しかし、俺にはなぜ怒っているのか、そして、どうしたいのか全く理解することができない。


 もしできるとするとそれは……小室さんなのだろう。


 ゾンビの言葉を理解する小室さんならば、紫藤さんが何を言いたいのか理解してくれるはずである。


 しかし、小室さんの元に戻るまでにはどうすればいいのか……


 俺は紫藤さんを見る。どうやら紫藤さんは出会った時の小室さんのように、手足は硬直していないようだ。


「だとすれば、何かに文字を書いてもらえれば……あ」


 俺が駅周辺を見回していると、目的のものはすぐに見つかった。


「紫藤さん。あそこに行こう」


「あう?」


 俺が指さしたのは、駅近くの文房具屋であった。

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