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僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター10
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怪しい婦警さん 4

「よし。ここだな」


「……へ? も、もう、着いたんですか?」


 あまりのことに動揺してしまい、いまだに周囲の状況を理解しきっていない俺に対して、何食わぬ顔で宮本さんはこちらを見てくる。


「ああ。どうした? 赤井君。なんでそんなに汗をかいているんだ?」


 そう言われて俺は、額にぐっしょりと汗が吹き出ていることに気づく。


「え? あ、あはは……え、えっと……宮本さん。警察署ではどこにお務めなんですか?」


「何? なんでそんなこと聞くんだ?」


「え、えっと……ちょっと気になって……」


「ああ。私は交通安全課だ。だから、赤井君。信号が青であっても横断歩道を渡るときはちゃんと、左右を見てからでないとダメだぞ」


 そういって宮本さんは車から出た。正直、この町の交通安全に酷く不安を覚えたのは此の時が初めてである。


「あ……小室さん、古谷さん、大丈夫ですか?」


 後ろを振り返ると、小室さんはいつも通りだった。


 しかし、古谷さんは小室さんに抱きついて涙目でフルフルと震えている。


「あ、あの人……なんなんですか! 私達を殺す気ですか!」


 半ギレしながら古谷さんは怒っていた。


「まぁまぁ……とにかく、外に出よう」


 そう言って俺も車の外に出てみる。すでに時間は車の時計を見て確認したが、深夜の二時を回っている。


「デパート……だな」


 宮本さんが目の前にそびえたつ巨大な影を見てそう呟いた。

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