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僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター1
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終わった日常 7

「え、ちょ、ちょっと待ってよ。俺の話、わかるの?」


 思わず俺は慌てて、目の前にいるのがゾンビだということを忘れ、女の子に訊ねる。


「あう? あー……うあ」


 女の子ゾンビはゆっくりと、だが確実に頷いてくれた。


「……マジかよ」


 俺の口から思わずそんな言葉が零れた。


 言葉のわかるゾンビがいるっていうのか……まぁ、会話ができるわけじゃないみたいだが。


「……まぁ、いいや。とりあえず、助かったってことか」


 目の前の女の子ゾンビは、肌も白すぎるし、ゾンビ病発症者には間違いないが、どうにも俺を食べようっていう気はないらしい。


 俺はひとまず安心して、思わずそのままトイレの中に座りこんでしまった。


「あう。あう」


「え? ああ、はいはい。いいんだよ。ここにいれば」


「あうあー……うあー……」


「あー……よくわかんないけど……俺、もう疲れたから、ちょっと寝るね」


 安心したらどっと疲れてきてしまった。


 俺は目の前にゾンビがいるというのに、そのまま目を閉じる。


 もしかしたら、女の子ゾンビの気が変わって食べられてしまうかもしれない……そんな不安が一瞬だけ脳裏によぎった。


 でも、こんなかわいい子に食べられちゃうんだったら、別にいいか……


 そんなあり得ないことを考えながら、俺はあろうことか、そのまま眠りに落ちていってしまったのだった。

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