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僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター4
33/204

半人、半ゾンビ 4

 思わず俺と古谷さんは顔を見合わせてしまう。


「あー……小室さん、でしたっけ?」


 古谷さんがそう訊ねると、小室さんは無表情のままで古谷さんを見る。


「うん。だけど、きやすく、よぶな」


 あまりの発言に俺も驚いてしまった。


 古谷さんにしても同様のようである。


「え……ちょっと、小室さん?」


 俺がそう言うと小室さんは俺のことをジッと見てきた。


 見られた俺は思わず何も言えなくなってしまった。


「はぁ? ちょっと……アナタねぇ、なんでそんなこと言うんですか? そもそも、私は赤井君の家に行っちゃいけないなんて、アナタに決める権利ないでしょ?」


 古谷さんがそう迫ったが、小室さんは動じる様子もない。


「けんりとか、そういうもんだい、じゃない。ぞんびは、いっかに、ひとり」


「何を言っているんですか。そんな一家に一台の家電製品じゃないんだから……赤井さん。私も行ってもいいですか?」


「え? ああ、俺はいいけど……」


 俺はそう言ってから、チラリと小室さんを見る。相変わらず無表情ではあったが、どこか不機嫌そうに見えなくもない。


 もしかして、小室さん、古谷さんのことをあまり気に入らないんだろうか?


 確かに小室さんと違って、話すのも大分上手だし、大分ゾンビらしからぬゾンビだからなぁ……


「と、とにかく。ここにずっといるのは不味いよ。他のゾンビも集まってきちゃうかもしれないし……」


「ああ、そうですね。じゃあ、赤井君の家に行ってもいいですか?」


「うん。いいよ。小室さんも、いいよね?」


 しかし、それでも納得出来ていない様子の小室さん。ちょっと嫌な予感がするが……とにかく帰った方がいい。


 俺は小室さんに自転車の後部に再び指示すると、俺自身は自転車を手押しして、古谷さんと並んで歩いて帰ることにしたのだった。

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