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僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター1
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終わった日常 2

 玄関に置いてあったスリッパを履く。


 さらに、子供の頃に草野球で使っていた金属バッを手にする。


 背中には、何も入っていない状態のリュックサックを背負った。


 俺は今一度、ズボンのポケットに何か入っていないか、そして、リュックサックが空かをどうかを確認する。


 大丈夫だ。すでに十分に確認しているから空に決まっているのだ。


 俺は確認を終えると、玄関のドアのノブを握った。


 さて、何度もイメージトレーニングは終えている。


 ゾンビに対してやってはいけないことは、音を出すことである。


 足音や服がすれる音なんかは良くない。奴らが音に反応することは、ゾンビ観察でわかっている。


 だから、俺は普通の靴ではなく、布製の、外の地面を歩くときは音の出ないスリッパを履いている。


 これなら足音が発生するのを防ぐことができるからだ。


 そして、バットは……まぁ、護身用である。


 ゾンビ映画ではよくゾンビの頭をバットでつぶす描写なんかがあるが、できるなら俺はそんなことをするのはご免こうむりたい。


 だから、なるべく使わないで済むことを願いたいが……


「……まぁ、目的地に行ったら使わざるを得ないだろうな」


 俺が云う目的地とは……近所のコンビニである。


 ここからほんの五分歩いた場所にコンビニがある。俺はそこに向かおうとしているのだ。


 ゾンビ観察以外にも、俺はベランダから様々なものを観察していた。


 その一環として俺はコンビニを観察していたのだ。


 ゾンビ病が発生してからすでに一ヶ月。


 あのコンビニにはほとんど人の出入りがないのである。


 しかも、ゾンビがコンビニに入ったこともなかった。


 もっとも、すでにコンビニの中がゾンビ地獄という可能性もあるが……


「いやいや。考えても仕方ない。さっさと行こう」


 俺はそう前向きに考え、ゆっくりとドアを開いた。

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