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僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター29
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地獄からの脱出計画 3

「で、計画と言っても大体の目星は付いているんだ」


 平野さんは軽い調子でそう言う。


「目星……どうするつもりなんですか?」


「簡単だ。ゾンビを学校内部に大量に流入させる。それだけだ」


「え……そんな大雑把な……」


「ん? そうか? 簡単克つシンプル……そして、現実的だと思うぞ」


 俺と紫藤さん、そして、小室さんは顔を見合わせる。


 大量に流入……確かに、校庭にあれだけの数がいるゾンビが流入してくれば、さすがの生徒会の面々も対応に追われることになるだろう。


 そうなればスキができるというものである。そのスキにこの学園を逃げ出すことは充分に可能であるかもしれない。


 ただ……


「その……どうやって、ゾンビを大量に流入させるんですか?」


 俺は思わず訪ねてしまう。平野さんはキョトンとした顔で俺を見る。


「そりゃあ……私と小室君、紫藤君、そして、赤井君……この4人が学校の1階部分の窓ガラスをひたすら割りまくる」


「おいおい。でもよぉ。そんなの目立ちすぎるだろ? いくらなんでも生徒会の奴等が気づくんじゃないか?」


 紫藤さんの質問はもっともだった。第一、俺達4人だけでは、そんな一気に窓ガラスを割ることは不可能だろう。


 すると、なぜか平野さんはニンマリと微笑んだ。何か考えが他にあるようである。


「そうだ。ここにいる私達4人……古谷君を含めて5人ではとてもそれを実行するのは難しい……だが、それ以上の人数ならどうだ?」


「……え? それ以上の人数って……そんな人数……あ」


 俺はそこまで言ってようやく気づく。平野さんも俺が気付いたことを理解したようだった。


「な、なんだよ。宛があるのかよ?」


 紫藤さんが怪訝そうに訊ねる。


「……ジャージ組」


 俺はボソリとつぶやいた。紫藤さんも納得したようである。


「ああ。その通り。ジャージ組の面々を利用して、我々はこの学校から脱出を図る」


 平野さんは堂々と「利用」と言い切ったのだった。

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