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僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター24
135/204

彼女はゾンビ? 7

 そして、少し経ってから、俺達はさっそく地下一階に行くことにした。


 小室さんの言う通り、いやに静かだ。確かにおかしい、って気分もわかる。


「……誰も、いませんね」


 古谷さんが地下一階を見渡してみる。誰の姿もなかった。


「……そうだな。前来た時は、ゾンビがいたのか?」


「ええ……でも、誰もいません……」


 俺も同じようにフロア内を見渡してみたが、誰もいない。


「あ」


 と、小室さんがいきなり小さな声をあげた。


「どうしたの? 小室さん」


「……にく、くいあらされてる」


「え? うわ……ホントだ……」


 見ると、食料品売り場の鮮肉コーナーにあった肉が、まるで獣か何かに食い荒らされたかのように食われていたのだ。


 その散らかしようはかなりすさまじいものだった。まるで、鮮肉を何かの代わりに食い荒らすかのような……そんな感じである。


「ああ……まぁ、ゾンビが居たからね……」


「……ちがう。これ、くいあらされてから、あまりたってない」


「え? ど、どういうこと?」


「……つまり、これたべたぞんび、まだ、ちかくにいる。……だとすると――」


 俺は思わず振り返った。古谷さんと紫藤さんも嫌そうな顔をしている。


「で、でもよ……なんで生肉なんか喰ってんだよ? ゾンビなら、普通にそこらへんの人間を襲うとかあるだろ?」


「……たぶん、このゾンビ、わたしたちとおなじ」


「同じって……それって……」


 紫藤さんと古谷さんは顔を見合わせた。そして、キッと俺のことを見る。


「え……ど、どうしたの?」


「赤井君……あの子、ゾンビですよ」


 古谷さんが落ち着いた様子でそう言った。

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