表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター24
134/204

彼女はゾンビ? 6

「……で、そのままそんな約束して戻って来ちゃったってわけですか」


 大きなため息とともに、古谷さんは俺にそういった。


「え……うん。そうだけど……」


「あのなぁ……赤井。お前、騙されやすいってよく言われなかったか?」


 紫藤さんも呆れ顔で俺にそう言ってきた。


「え……それって、夕樹さんが俺のことを騙しているってわけ?」


「ええ。十中八九そうでしょうね。ああいうタイプは絶対に学校でも男の子を騙しているタイプですよ」


「ああ。それだけは俺もゾンビモドキに同感だ。ああいうタイプは絶対に嘘をついて男をたぶらかしているにきまっているんだ」


 二人は顔を見合わせてうんうんと互いに頷いていた。俺の方はどうにも二人が言っている事が理解できなかった。


「でも……どうして俺を騙す必要があるのさ? 俺を騙して何か得することなんてある?」


 それを言うと二人共黙ってしまった。


 そうだ。俺を騙したって何もいいことなんて無い。この状況下で俺を騙しても夕樹さんには何のメリットもないなら、騙す必要だってないはずだ。


「そ、それは……そういう性格なんですよ! アイツは!」


 どうすればいいのかわからなかった感じがあるが、古谷さんはとにかくそう言った。


「え……そ、そうなの?」


「そうです! まったく……女の子ってのを分かっていなすぎるんですよ。赤井君は」


 憤慨する古谷さん。紫藤さんも隣でうんうん、となぜか頷いている。


「……小室さんは、どう思う?」


 俺がそう訪ねても、小室さんはずっと下を向いたままだった。


 さっきからずっとそうだ。小室さんは、何かを悩んでいるかのようにずっと黙ってしまっている。


「小室さん? さっきからどうしたの?」


「……おかしい。やっぱり、おかしい」


「だから、何が?」


「……ここに、ぞんび、たくさんいた。でも、もうひとりもいない……どこかにいったのかな」


「それは……と、とにかくさ、後で地下一階に行ってみればわかるんじゃない?」


 俺がそう言うと小室さんも多少納得したようだった。でも、俺も少し違和感があった。


 その正体が一体なんだったのかはわからなかったのだけど……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ