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僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター24
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彼女はゾンビ? 2

「だ……誰だ!? 出てこい!」


 紫藤さんが大きな声で怒鳴る。


「ちょ……待ってください。喋れるってことは……人間じゃないんですか?」


「はぁ? い、言われてみれば……」


 暫く返事はなかった。俺達は互いに顔を見合わせる。


「あ……えっと……誰かいるんですか? 俺達は危害を加えるつもりはありません。出てきて……くれませんか?」


 俺がそう言うと、少し経ってから、デパートの受付の影になっている部分から人影が顕れた。


「あ……君は……」


「え……えっと……貴方達は喋れるんですか?」


 物陰から出てきたのは、長い髪を2つに縛った……ツインテールにした女の子だった。


 背丈は小室さんと同じくらいで、古谷さんと紫藤さんはよりは少し小さい。


 制服を着ているからどうやら俺達と同年代のようである。


「あ……うん。俺達は人間だよ」


「人間? え……そっちの人達も?」


 女の子は不思議そうに俺ではなく、隣にいる小室さん、古谷さん、紫藤さんを見る。


「あ……うん。人間だよ。ゾンビじゃない」


「え? そ、そうなんですか?」


 それでも不思議そうにそういう女の子。


「あぁ? ゾンビじゃねぇって言ってんだろ? あんまりごちゃごちゃ言っていると、食っちまうぞ?」


「ひっ……ご、ごめんなさい……」


 女の子は怯えたようにそこに座り込んでしまった。


「……怖がらせてどうするんですか?」


 古谷さんがジト目で紫藤さんを見る。紫藤さんはバツが悪そうにそっぽを向いた。


「え……えっと……大丈夫です。何もしませんから。えっと、アナタは?」


 俺が安心させるようにゆっくりとそう言うと、ツインテールの女の子はゆっくりと俺の方に近づいてきた。


「ゆ……夕樹リカ……です」


「夕樹さん……俺は赤井レオです。どうぞ、よろしく」


 俺がそう言うと女の子は小さく頷いたのだった。

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