『婦警の日記』(全ページ版)
・◯月☓日(血がにじんでしまっていて読めない)
今日も先輩に怒られてしまった……私は頼りないらしい。これではこの街の平和を守るどころか、一人前になることもできないのではないだろうか……私はやっぱり……ダメな婦警さんなのだろうか。
・◯月☓日(以降、日付は書かれていない)
……どうしよう。信じられないことが起きた。市民が暴徒化してしまっている。私は思わず警察署のトイレに隠れてしまった。それから数時間怖くて出られなかったが……トイレから出ると誰もいなかった。一体何が起きたのか……
・警察署に篭って一日目
食料は一応あった。カップラーメンだらけだったが……助けが来るはずである。市民が暴徒化しているとはいえその対応は完璧なはずだ。きっと大丈夫なはず……
(ここから数頁空白)
・警察署に篭って◯日目(かすれていて読めない)
もう……限界だ。カップラーメンにはうんざりだ。ここを出る……出て、市民と合流するのだ。きっと、暴徒化した市民の中にも、正常な市民がいるはずである。そして、正常な市民を守る事こそ、私の役目なのだから。
(ここから再び数頁空白)
・赤井君と会った日
私は……恥ずかしながら恋をしてしまった。もちろん、歳の差など関係ないと思うが……彼は少し年下すぎるというか。でも、私にとって彼はヒーローだ。今度は私が彼を護ってあげなければ……
(ここからさらに数頁空白)
・赤井君と別れて一日目
赤井君が私を置いていってしまった……寂しい。辛い。昨日は一睡もできなかった。怖くて車外に出ることが出来ない。私はどうすればいいのだろう……
・赤井君と別れて二日目
不幸なことに、車が動かなくなった。どうやらガソリン切れらしい。いつまでも車の中にいられない。私は外に出た。探す……赤井君を探すのだ。きっと赤井君はあのゾンビ共と合流するつもりだ。だから、私は外に出た。
・赤井君と別れて三日目
最悪だ……赤井君を追って線路をたどっていたときに化け物に噛まれた……右腕だ。血が出るが痛みがない……このままではわたし、は……あかい、君……
・あかいくんとわかれて、よっかめ?
あかいくんみつけた。あかいくん、いえにはいっていくの、みた。あかいくん、あかいくん……わたし、と、あったら、よろこんでくれるかな?
(この間数頁、何かを書きなぐったような跡と「あかいくん」という酷く乱れた文字が見受けられる)
あかいくん、なんで。
なぜ、わたしではなく、ばけもの、えらぶ?
わたしはあかいくん、まもる。まもる、まもる?
あかいくんとひとつになればまもれる……
あかいくん、おいしそう。
おねえさん、が、たべて、あげる




