追跡者 2
「いやぁ。良かった。赤井君。私が来なかったら化け物に食われる所だったぞ? あはは! 本当に良かった!」
嬉しそうにそう言う宮本さん。
「あ、あはは……えっと、ありがとうございます。宮本さん……」
「いいんだ。赤井君を……いや、市民を守るのが私の仕事だからな!」
久しぶりに会う宮本さんは、どこか変わっているように見える。前に会った時よりも、どこか大人びたというか……強そうに見えた。
「あの……宮本さん。訊いてもいいですか?」
「ああ。なんだ? なんでも訊いてくれ」
「その……包帯と眼帯……大丈夫なんですか?」
そう言われて宮本さんは右手の包帯と右目の眼帯を触る。そして、困ったように苦笑いする。
「あはは……情けない話だが、あの後、怪我をしてしまってな。お陰でこのザマだ。心配しないでくれ。警察官としての職務に支障はない」
そういって笑う宮本さん。
しかし、俺にはどうも、青白く変色している眼帯周辺が、ただの怪我とは思えなかった。
「そ、そうなんですか……え、えっと……その……」
「アナタは、いつから私達の後を付けてきていたんですか!?」
そこへ、古谷さんがしびれをきらしたかのように割って入ってきた。そんな古谷さんを、宮本さんは冷たい目つきで一瞥する。
「……ああ。そうだ。赤井君。安全な場所を発見したんだ。案内するから私と一緒に来ないか?」
「ちょっと! 私達のことを裏切っておいて、なんですか、その態度は!」
と、古谷さんがそこまで言った時だった。
瞬時に、宮本さんは銃を構えると、そのまま古谷さんに向かって発射した。




