表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター18
103/204

再会 3

「あ……小室さん」


 俺は間抜けにもう一度そう呟いて、ゆっくりと小室さんの方に近づいていった。


 小室さんはジッと俺の方を見ている。


 なんだか怒っているようにも見えるし……いつもと通りにも見える。


「えっと……ごめんね。なんか、二人に大変な思いさせちゃったみたいで……」


 俺がそういうと小室さんはなぜか俺から少し目を反らす。


 そして、なぜかゆっくりと手をあげた。


「え……どうしたの?」


「動かない、で」


 言われるまま、俺はその場で立っていた。


 すると、小室さんはゆっくりと其の手のひらで俺の頬を叩いた。


 痛くはない。それはそうだ。小室さんのビンタとも言えないその動作はあまりにもゆっくりとしていたからだ。


 でも、驚きだった。


 あの小室さんに叩かれたのだ。痛い痛くないかは関係ない。


「……え? な、なんで?」


「さい、てい」


 見ると、小室さんは相変らずの無表情だった。


 しかし、その目には涙が溜まっていた。


 そして、そのままゆっくりとした動作で、小室さんは俺に背中を向けて部屋を出て行ってしまった。


 言われたのだ。確かに「最低」と。


「……赤井君。わかっていると思いますけど、とりあえず、さっさとこの部屋から出て行ってくれませんか?」


 古谷さんはため息混じりに、そっけなくそう言った。


 俺はどうしたらいいかわからなかったが、とりあえず、そのまま階段を上がって部屋に行くことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ