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僕とゾンビじゃない彼女  作者: 松戸京
チャプター18
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再会 2

「え……古谷さん、どうしてここに?」


「……それはこっちのセリフなんですけど……」


 ジト目で俺のことを見てくる古谷さん。


 古谷さんはデパートにいたはずである。


 それなのに、今俺の目の前にいるのは、まぎれもなく古谷クレアその人である。


「えっと……戻ってきたってこと?」


 俺がようやく口を開くと、キョトンとした古谷さんは、それからすぐに俺を鋭く睨みつけた。


「……ええ。赤井君があの婦警と逃げてから大変でした。小室さんを背負って此の家までなんとか帰ってきて……赤井君が鍵をかけ忘れてくれたのが幸いでしたね」


「そ、そうだったんだ……でも、古谷さん、俺は逃げたつもりなんか……」


 俺がそう言おうとすると、古谷さんはさらに鋭く俺を睨む。


「……どうせ、赤井君もあの婦警と一緒なんでしょう? 私達みたいなゾンビからは逃げたかったんですよね?」


「そんな、俺は……」


「あう」


 と、俺がなんとか続きを言おうとすると、その間に紫藤さんが入ってきた。


 紫藤さんの参入に、古谷さんも目を丸くしている。


「……誰ですか。この人は」


「あ……えっと、紫藤ヘレナさん。帰ってくる途中で出会ったんだ」


 俺がそう言うと古谷さんはわざとらしく大きくため息をついた。


「だったら、この人とどこか好きな場所へ行ってください。どうせ、赤井君は私達のことなんてもうどうでもいいんでしょう?」


「そんな……えっと……古谷さん。ところで、小室さんは?」


「こ、こ」


 と、懐かしい声が聞こえてきた。俺は振り返る。


「あ……小室さん!」


 そこに立っていたのは、相変わらず死んだ魚のような目をしてこちらを見ている、小室アリスだった。

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