56 トーナメント一回戦
さてさて、俺の意思とは無関係に第一回奴隷選手権が開催してしまった。ミユキはこういうイベントがあった方が、人生楽しくなるぞと言っていたが、何だか腑に落ちない。周りのメンツは、めちゃくちゃ楽しんじゃっているけど。
そんな中、一回戦が行われようとしていた。試合はトーナメント形式となっている。組み合わせはこうなっている↓
① ミユキ ― アリア
② ヴィイチ ― ミリエラ
③ ラヴィー ― サリー
④ ララ ― ローリエ
⑤ エリ ― ナーナ
そんな訳で、今まさにミユキとアリアの試合が始まろうとしているのだ。
ルールはいたってシンプル。相手を倒すか、戦闘不能に追い込むか、相手が負けを認めたら勝ちというもの。大会は三日行われ、初日の今日は一回戦のみを行う。二日目は二回戦と三回戦、三日目は決勝戦が行われる。闘技場に張られている護りの結界の特性上、こういう日程になってしまった。入った人に護りの魔法が発動できるのは、一人につき一日一回だけなので、勝敗に関係なくそういうシステムになっている。
魔法の使用は禁止。これは、戦闘用の魔法が使えるのがミユキだけだからと言うのが理由に挙げられる。公平を期す為に、ミユキ自らが提案したのだ。武器に関しては特に指定は無いが、ランクの高い武器は使用が禁止されている。
その為、今闘技場に立っているミユキとアリアの持っている武器もそれぞれ違う。ミユキが、細い片手剣を使用していて、アリアは槍を使用している。
ちなみに、今回参加をしているメイド達は戦闘用に改良したメイド服を着用していた。具体的に言うと、スカートがロングからミニになっていて、下にはスパッツの様な物を履いていた。
『おっと。いきなり十二歳と十六歳と、子供と大人の戦いになってしまった。これはアリア選手が不利か?』
『いえ、そうとも限りません。ショーマさんに付いて来られるよう、皆さん鍛えられているので、実力はかなりのものです。大人も子供も関係ありません』
『純粋な力の差はあるかもしれないけど、それも武器でカバーできるわ』
公爵殿下はもとより、アリシアさんとカナデもなかなかにノリノリですな。
「うむ。見ただけで分かる。二人とも並の騎士団よりも強いな」
そしてこちらにも、試合開始を今か今かと待ちわびている人間が一人。そんな国王陛下に、俺はただただ愛想笑いを浮かべるしかなかった。
ちなみに、アリアのステータスはこちら↓
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名前:アリア 年齢:十一
種族:獣人(犬) 性別:女
レベル:23
MP値:4600
スキル:槍術C 奉仕C 接待術C 棒術D
掃除技術D
その他:帯刀翔馬の奴隷
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長物系統の武器を得意としているみたいだが、レベルではミユキには少し及んでいない。このくらいの差なら、勝てる可能性は十分にある。
「それでは、試合開始!」
審判を務めるのは、王に仕える騎士団の団長であった。団長の試合開始の合図で、ミユキとアリアは同時に動いた。初撃はお互いに剣と槍を打ち合った。
直後にミユキが身を回転させて、アリアの横に回った。けど、アリアもそれにすぐに対応し槍で突く事でミユキを牽制していった。アリアの刺突に対して、ミユキは剣でいなすだけだが、決して押されている訳ではない事が分かった。
『おぉっと!ミユキ選手、あっという間に壁際まで追い込まれてしまったぞ』
『ここからどう覆していくのでしょうか』
『それが出来なきゃ、ショーマと一緒に依頼はこなせられないからね』
闘技場の壁まで下がった所でミユキは後退を止めて、アリアは今がチャンスとばかりに渾身の一突きを繰り出した。だが、これは判断ミスだ。何故なら、刺突が迫った瞬間にミユキは左に避けて攻撃を躱し、アリアの槍は闘技場の壁に深く突き刺さってしまったのだ。
必死に引き抜こうとするアリアは今、全く動く事も防御する事も出来ない状態となっていて、その隙にミユキがアリアの背中を一突きにした。これにより試合終了だ。
『決まったぁ!勝者、ミユキ選手!』
『わざと壁際まで後退して、アリア選手の槍を壁に突き刺させる事で動きを封じるなんて、流石です』
『狙ってそれが出来るのだから、かなりできるわね』
解説ご苦労様。審判の判定と同時に、なかなかに熱の入った実況が入った。お前等、テンション高すぎだろ。
(ご主人様!先程の賭けに勝って、金貨六十枚が手に入りました!)
(私も、金貨八十枚手に入ったぞ!)
こちらもかなりノリノリですな。というか、金貨六十枚と八十枚が手に入ったって、君達一体いくら賭けたんだよ。
「なかなかに見所のある試合だったぞ」
「ありがとうございます」
まぁ、最後のあれはアリアの油断だったがな。相手を追い詰める事ばかり考えて、周りにあまり気を配っていなかったな。パーティーを組む上では、致命的とも言える失態である。
「次の試合が始まるぞ」
「おぉ」
そんな評価をしている間に、ヴィイチとミリエラが闘技場に入っていて、武器を構えていた。ヴィイチは戦斧を、ミリエラは短剣を2本持っていた。
さてさて、気になる2人のステータスはこちら↓
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名前:ヴィイチ 年齢:十五
種族:人間 性別:女
レベル:24
MP値:3900
スキル:斧術C 剣術D 接待術D 鎌術D
その他:帯刀翔馬の奴隷
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名前:ミリエラ 年齢:百十
種族:エルフ 性別:女
レベル:27
MP値:6400
スキル:剣術C 弓術C 聖魔法C 接待術C
清掃技術D
その他:帯刀翔馬の奴隷
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二人とも剣術が得意みたいだけど、メイドの仕事をこなしている傍らで、この子達は一体何をしていたのだ?
『さて、武器によるリーチはミリエラ選手が圧倒的に不利だが!』
『その代り、ミリエラ選手は身体の小ささを活かした小回りの利いた戦いが得意と言っていました』
『エルフは成長が遅いから、あと十年はあのなりのままでしょう』
小さいは余計だと思うぞ、カナデ。だけど、それを利用した戦い方は確かに厄介である。
事実、試合開始と同時にヴィイチは戦斧でミリエラを圧倒しているように見えた。だが、しばらくするとヴィイチが戦斧を横薙ぎに振り、同時にミリエラは態勢を低くして一気にヴィイチの懐に入り込んだ。そして、最小限の動きでヴィイチの首筋を捉えて倒した。
これにて、二回戦は終了。
(ご主人様!今度は金貨八十枚が手に入りました!やりました!)
(あぁもう!金貨四十枚取られてしまった!)
こちらも盛り上がっているようで何より。てかフィアナよ、ヴィイチの勝利に金貨四十枚も賭けていたのかよ。やり過ぎだ。
一応彼女達もかなりの金額のお金は持っているが、その全てをギャンブルで巻き上げられたら流石に怒るからな。
『さて、次の試合の準備が整ったみたいだ!次の試合は、ラヴィー選手とサリー選手の試合だ!』
「っとぉ」
フィアナに呆れている間に、サリーとラヴィーの二人も闘技場に姿を現していた。サリーはショートソードと盾の、スタンダードな装備をしていた。
対してラヴィーは、武器を持っていなかった。ん?素手で戦う格闘家タイプなのか?けれど、魔物は素手では倒しにくい筈だけど。そういえば、三日前にステータスを確認してみたら、気になるスキルを持っていた気がした。
こんな事を考えている間に、試合が始まってしまった。最初に攻撃を仕掛けたのはサリーで、盾でガードしつつラヴィーに向かって走って行った。
それに対してラヴィーは、六メートル以上ジャンプしてサリーの攻撃を防いだ。
『さすがは、兎族の獣人です。物凄い脚力です。あの足で蹴られたら、魔物でもひとたまりもないでしょう』
丁寧な解説ありがとう、アリシアさん。そう、俺が気になっていたラヴィーのスキルと言うのは蹴り技であった。
そんなラヴィーのステータスはこちら↓
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名前:ラヴィー 年齢:十五
種族:獣人(兎) 性別:女
レベル:27
MP値:2100
スキル:蹴り技B 脚力C 格闘術C 接待術C
神速D 料理D
その他:帯刀翔馬の奴隷
暴走乱心女
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その他の欄に変な称号があるが、この際無視しよう。
脚力が高い上に、蹴り技までも高ランクで取得している。そのコンボで攻撃されたら、魔物でも大ダメージを受けるだろう。
でも、サリーも負けていない。ラヴィーが着地する所を瞬時に分析し、そこに向かって走って行った。ラヴィーとて普通に着地する訳がなく、空中で体を回転させてサリーを牽制しつつ着地していった。この状態のラヴィーに攻撃を加えるのは、容易ではない。ましてや、サリーの剣ではリーチが短すぎる。
サリーが怯んでいる間に、ラヴィーはサリーの右脇腹に強烈な蹴りを入れた。攻撃を食らったサリーは、闘技場の壁まで吹っ飛ばされていった。
『決まったぁ!勝者、ラヴィー選手!』
『いくら護りも魔法が掛けられていると言っても、子供相手にラヴィーったら大人気ないわね』
『彼女だって、ショーマさんと一緒にギルドの依頼をこなしたいのですから、必死にもなります』
そういうものなんですかねぇ。だけど、幼い女の子相手にあれはないだろう。それを言ったら、ミユキやヴィイチだって言えるな。ヴィイチの場合は、幼い女の子相手に負けてしまったけど。
(ご主人様、後であの兎女、ボコボコにしてもよろしいでしょうか?わたしの妹を蹴飛ばすなんて)
(妹は蹴られるわ、金貨八十枚も持っていかれるわ、良い事なしだな。私は金貨五十枚貰えたから良いけど)
それは違うと思うぞ。メリーはただ、カワイイ妹が蹴飛ばされた事を怒っているのだよ。ガルゴの町に向かう際もサリーを危険な目に遭わせたくないが為に、ローリエと共に留守番をさせるくらいだからな。メリーは妹を大切にし過ぎだね。
ここまでメリーは金貨八十枚、フィアナは金貨九十枚も荒稼ぎした事になる。というか、君達は一体いくら賭けてるんだい?後でお仕置きが必要な金額を賭けていないだろうな。
『次はララ選手とローリエ選手の試合だ!』
『ララ選手は大槌を、ローリエ選手は大剣を持って入場しました』
『というかローリエったら、また寝癖を直していないわ』
言われてみたら、確かにローリエのツインテールに結んでいる髪が所々跳ねている。一緒に暮らしていって分かった事だが、ローリエって自分の事にはかなり無頓着で、寝癖を直さないのはもちろん、服や下着が無くなる事がしょっちゅうあるみたい。なので、サリーがいつも一緒に探しているみたいだ。まったく、困ったものだ。
大槌と大剣を使っているくらいだから、二人ともかなりのパワーファイターなのだろう。
その証拠に、試合開始と共に物凄い金属音と共に二人が互いの武器を打ち合っていた。
まぁ、ステータスを見る限りでは、二人ともかなりレベルアップしているな。
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名前:ローリエ 年齢:十五
種族:獣人(犬) 性別:女
レベル:27
MP値:3800
スキル:嗅覚A 物探しA 剣術B 奉仕C
接待術D
その他:帯刀翔馬の奴隷
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名前:ララ 年齢:十二
種族:人間 性別:女
レベル:25
MP値:4050
スキル:槌術C 棒術C 清掃技術C 奉仕D
接待術D
その他:帯刀翔馬の奴隷
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ローリエの方は相変わらず、嗅覚と物探しのスキルは高いなと思う。そこに剣術が加わっちゃっていますよ。しかも、大剣を使うくらいだから、腕力もあると思うが剛力のスキルを獲得できるほどではない様だ。
というか、小柄なローリエに大剣は扱いにくいと思うぞ。まぁ、それを言ったらララだってあんなに大きな大槌を振り回しているのだから、今更か。
「おっと」
いろいろ考えている間に、決着が付いたみたいだ。勝負は、ララが押し負けて尻餅を付いた瞬間にローリエがララの胸を一突きにした。
『おぉ!壮絶な打ち合いの末、ローリエ選手がララ選手を降した!』
『2人とも小柄なのにあんなに大きな武器を扱うのだから、ホントすごいわ』
まぁ、カナデでは絶対に出来ない戦い方だよな、
『なんか今酷い事を言われた気がするわ』
中継席とVIP席は真向かいにあって、お互いの姿も認識しづらいくらいに距離があるのに、何故俺の思考が読めた?
《先に言っておくけど、私は喋っていない》
そう。ならいい。
だけど、三ヶ月前までのローリエは戦う事すらできなかったのに、今ではあんな大剣を振り回すまでに強くなるなんて。
「翔馬殿のメイドは、なかなかに強い者が多いな」
今まで食い入るように観戦していて、しまいには一言も発することなく集中していた国王陛下が、ようやく口を開いた。
「お褒めに与かり、光栄です。と言いたいですけど、実は彼女達がここまで強くなっていたなんて初めて知りました」
「留守中にギルドに登録して、合間を縫って冒険者として活躍していたのだろ。メイドにするには惜しい人材ばかりだ」
「ありがとうございます」
何か、戦い方が俺へのアプローチに見えて仕方が無いのだが。私はここまで戦えますよ、的な。
(やりましたご主人様!一気に金貨百二十枚も入りました!)
(私も、金貨百枚手に入ったぞ)
いちいち報告してくれて、ご苦労様でした。全額無くならなかったから良かったものの、二人とも後でお説教タイムといきますぞ。
《まぁ、いいじゃない。あの子達だって楽しんでいるのだし、競馬でもしている感じでそっとしてあげなよ》
いやいやいや。これは競馬というよりは、違法の野球賭博に近い気がしてならないが。というか、博打自体を許可した覚えはないのだけど。
《三ヶ月の間に金貨五千枚という、とんでもない金額を直接依頼や、特別依頼で稼いでいるのだからケチケチしないの》
ケチとかどうか、そういう問題ではありません!
人というのは堕落する生き物なのだから、お金は血と汗を流して地道に稼がないと意味がありません。お金がたくさんあるからと言って、働く事を忘れてはいけません。
《まっ!超立派!でもまぁ、他の貴族達もやっているのだし、国王陛下も実は密かにやっているのだから、それであの子達だけを叱ったら流石に可愛そうだよ》
なに!?国王陛下まで!?
というか、一体何時!?横目で国王陛下を見たら、後ろに立っている護衛の騎士団を通して賭けをしていた!さっきから黙っていたのは、実は自分もギャンブルに参加していたからなのか!
《そんな訳で、叱るだけ無駄無駄無駄♪》
このアホ女神め。お前も完全にこの状況を楽しんでいやがるな。
《そんな事より、後で二人の成果を確認しようじゃないの》
はぁ、頭が痛い。娯楽を楽しむなとは言わないが、間違った方向で楽しむのだけは勘弁してほしいな。
頭を抱えている間に、本日最後の試合が行われようとしていた。確か、ナーナとエリの試合だったな。そもそもナーナは、俺の奴隷ではないのだが、公爵殿下の計らいで参加させてもらう事になった。
そんなナーナの対戦相手のステータスはこちら↓
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名前:エリ 年齢:十四
種族:獣人(豹) 性別:女
レベル:24
MP値:3300
スキル:暗殺術A ダガー術B 奉仕C 接待術C
料理D 危険察知D
その他:帯刀翔馬の奴隷
妖艶なる暗殺者
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奴隷になる前は要人暗殺を行っていたみたいだが、失敗して死にかけた所を奴隷商人に拾われて現在に至るのだそうだ。その為、使用武器はダガーだ。
ナーナにとっても、ちょっと厳しい相手になるだろうな。そんなナーナが今回使用する武器は、普通の鉄の剣だ。流石に、シロガネは使わない様だ。
「それでは試合、始め!」
審判の合図と共に、エリが瞬間移動でもしたかの如くスッとナーナの目の前に現れ、エリのダガーがナーナの首元を捉えよとしていた。
しかし、ナーナにも騎士団の分隊長という肩書がある。いきなり目の前にエリが現れた事には驚いていたが、すぐに切り替えて剣でエリの攻撃を防いだ。同時にエリの手首を掴んで、回転の勢いを利用して投げ飛ばした。
けれどエリは、空中で身体を器用に捻ってトンと何事も無かったかの如く着地をした。流石は豹の獣人だ。
だが、エリが態勢を立て直すまでナーナがジッとしている訳がなく、着地する頃にはすでにエリに接近しており、今まさに斬りかかろうとしていた。
でも、今回の場合はすぐに追いかけて攻撃しようとするのは良くなかった。相手は要人暗殺を生業としていた元暗殺者。ナーナの剣が身体に触れる前に、エリはスカートの中から長めの針を一本取り出して、ナーナの首元に向けて投擲した。これにはナーナもすぐには反応出来ず、首に刺さってしまった。幸い浅かったので、すぐに引き抜いて攻撃を再開しようとした。
ところが
「あ、あぁ‥‥‥」
剣がエリに接触する直前、ナーナは突然苦しみだしその場に倒れてしまった。倒れたナーナに、淡い光が全身を包み込んでいった。守護の魔法が発動したのだ。
「しょ、勝者、エリ選手!」
観客も訳が分からないみたいで、歓声ではなく困惑の声が響き渡った。
『おぉっと!ナーナ選手が突然倒れてしまい、守護の魔法が発動してしまったぞ!どうしたというのだ!』
娘の敗北に、公爵殿下の実況に動揺が見えるぞ。
『おそらく、突き刺された針に毒が塗られていたのでしょう。その毒によって、ナーナ選手がやれてしまったのだと思います』
『元暗殺者らしく、不意打ちを狙った勝ち方だったわね』
『毒を使ってはいけないというルールはありませんので、エリ選手のあの攻撃は有効となります』
対して、アリシアさんとカナデの実況には嬉々とした感じがした。
(ご主人様、やりました!今回の賭けはわたしとフィアナ様の独壇場となりました!)
(ざまぁみろ)
お前達な、もう少しナーナにも優しくしてあげなよ。というか独壇場って事は、メリーとフィアナ以外全員がナーナの勝利に大金を賭けていたのだな。あんた等、後で奥さんに絞られても知らないぞ。
そんなこんなで、第一回奴隷選手権の一回戦が終了した。と言っても、白熱する試合もあれば、最後の試合の様に呆気なく終わる場合もあったから何とも言えない。
明日の午後から、二回戦二試合と、三回戦一試合が行われ、その勝者二人が明後日の決勝戦に進める。
さて、明後日の決勝戦に進めるの一体誰だろう。
って、何を言っているのだ俺は!




