デザート:甘さと苦さとスパイスと。
「んんーー!此処の甘味、美味しいですわー!」
ワタシは現在、もう二度と来れないかもしれないと思っていたお店に、再び来ております。
誰とかって?
隣にベルさん、それから、対面にネシカさん。
なんでかって?
そんなの、ワタシが聞きたいくらいです。
「ネシカ。今日は話に来たんでしょう」
ベルさんも、ちょっと居心地悪そうです。
同時に、ネシカさんへの遠慮のなさ、みたいなものを感じて、ちょっと嫉妬心。
「もちろん、忘れてなどいませんよー」
ネシカさんは、空になった甘味を前に、ワタシに対して不敵に微笑みます。
「ティトさん。貴方は、ベル様と結婚したいのですよね?」
ワタシが控えめに頷くのを見ると、ネシカさんは嬉しそうに笑みを深めました。
「では、こうしましょう」
そして、パンと、手を合わせ、こんな事を言い出したのです。
「私と貴女、どちらがベル様の伴侶になれるか、競争しましょ?」
「え、で、でも、ワタシは平民、ですよ……?べ、ベルさんはともかく、二人のお家が、許さないのでは?」
好きだという気持ちを伝えた今、ワタシはある種開き直り状態です。
許嫁相手だろうと、会話くらいならできる精神状態ではありますし、冷静さも保っています。なので、ネシカさんの申し出がおかしいと思い、それをはっきりと聞き返します。
しかし、ネシカさんはふふふと笑うと、続けます。
「リリーメンもライへも、確かに貴族ではあります。が、武に長けた者は取り入れる家柄でもあるのですわ。ゆえに、今の剣闘士としての実力では難しくても、貴女が入り込む余地は十分にありますわよ」
そこに、ベルさんがこう付け加えます。
「ちょっと信じがたいかもしれませんが、ネシカの言うことは事実です。何より、この数日で、ネシカと僕の連名で、両家に話を通してきたので、名実ともに、ティトさんはいまや花嫁候補になっています……」
はい?
え、いま、なんと?
花嫁候補?
な、な、なんですとー……!
ちょっと、いえ、かなり、理解が追いつきません。
まさかの急展開に、ビックリです。
言葉もなく、口をぱくつかせるだけのワタシに、ネシカさんはさらに機嫌を良くしたらしく、こんなことを言いました。
「ティトさん。これからはライバルですわね!改めて、負けませんわよー!」
え、なんなの、この貴族令嬢、コワイ。
貴族って、こんなにー言い方はアレですけどーブッ飛んでるんでしょうか。
ですが、ベルさんも肩を竦めるだけですし、今度こそ嘘偽りではない、のでしょう。
ともあれ。
こうして、ワタシの人生は、なんだか大きな方向転換を迎えたようでした。
両親を失って二度目。
ですが、今回は悲しみと苦しみだけ、という訳ではなかったみたいです。
これからどうなるのか、全く見当もつかないけれど。
「……わ、ワタシだって、ま、負けません、から!」
大きな変化も、ちょっとは、悪くないのかなって、思ったり。
ベルさん、ワタシ、もっと、頑張りますね。
きっと、貴女のお嫁さんに、なってみせますから。
けもにっく!続く!的な感じで、今回はここまでです(*ノ・ω・)ノ♫
書きたい気持ちはあれど、中々モチベが続かず、一番最初の書き始めから、1年半もかかってしまいました。書けるが、時間がかかる。中々致命的ですなぁ・・・
とはいえ、作家的体力が続く限りは、続きも書きたいと思ってますので、あまり期待せず、見守っていただければ幸いです。
本件、好きを詰め込んでみた作品です。もっとバトル表現上手く書ければなーとか、心情表現とか、言い出したらきりがないんですが、(成長?ほとんもしてないずら!)ちょっとでも刺さったものがあれば、嬉しいです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました(ꈍᴗꈍ)
2024/05/14 烏月ハネ




