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同じ土俵に立つ以上手は抜けない
相撲の世界に階級というのはない。身体の大きさに差があったとしても、同じ土俵にあげられる。
かつての横綱若乃花こと花田虎上さんは、他の力士に比べて体格が小さかったので、毎場所命を落とすかもしれないという恐怖に襲われていたそうだ。
窮鼠猫を噛むという言葉はある。たまにやるくらいなら出来るかもしれないが、それを毎日やらなきゃいけないという環境は気が狂いそうになるだろう。
ただ、身体が大きい人も同じ土俵に立つ以上手は抜けない。自分より身体の小さい人に負ける訳にはいかないのである。
そうやって真剣勝負をしていて、どちらが勝ってもおかしくないという試合が見れたら、それは大いに盛り上がるだろう。
相手の有利を覆して得た勝利ほど嬉しいものはない。そういう話が好きだから、相撲はそういうルールにしているのだろう。
やる側は大変だろうが、それを覚悟の上で参加しているはずだ。




