運が良かっただけ
地震が起きた時の事を思い出すとただただ運が良かったなぁと思う。
強く長い揺れが起きて、アッシは家の中にいたけど倒れず傾く事もなく健在だった事。
電気・ガス・通信が生きていた事。
実家は田舎で井戸や川から生活用水を確保出来た事。
下水が流せる事。
飲み水や食料の備蓄がある事。
被害を受けた方の中には、それらを失った人もいる事もいる。ただただ運が良かっただけだ。
家から離れれば道路には亀裂が入り、道路沿いの山か崖が崩れて道路が分断されていて、物流が止まる可能性は容易に想像出来た。
人の集まるところに行けば、情報は入手しやすくなるのだが、自宅の状況などを踏まえて、避難所にはいかず自宅で過ごす事を選択した。その後本震同等の地震が起きていたら流石に家は持たなかったかもしれないが、運良くそれは起きてない。
ただ本震後は震度3〜5クラスの余震が群発した。流石にこの時は生きた心地がしなかった。弱ったところに10分に1回くらいのペースでダメージを与えにくるのである。その蓄積で家や道路が崩れるのではと常に脳裏によぎる。これが2日続いた。そりゃ落ち着かなくなるってもんだろう。この状況を乗り越えられるかどうかって不安は常にあるが、死にたくないって言葉は湧かなかった。どんなにそれを願っても、大きい地震が発生したらかなりの確率でアウトだ。死にたくないって言葉を頭ん中で連呼するくらいなら、どうすりゃ生き延びれるかってその具体的な方法を考えた方が良い。そうやって気持ちを前向きに持っていって今に至っているが、それでも運が良かっただけだと思う。




