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ガゼル

俺はアルト兄さん、アルトが嫌いだった。同じ日に生まれたのに、アルトは俺よりも周りから愛されていた。容姿は双子だけど違った。アルトは茶髪に黒目、俺は赤髪に翠目だ。


あれは4歳の頃だった、父上がアルトにお前がホムラの次の当主になるのだと言ったのは、前は俺とアルトに次の当主はお前達二人のどちらかになるぞ、だから努力をするんだぞ、と言っていたのに。3歳で俺とアルトは家庭教師の先生と一緒に運動と勉強をすることになった。アルトは俺よりも運動と勉強ができた。俺はアルトに負けないと一生懸命にアルトの倍以上勉強と運動を頑張ったのに、いつも勝てなかった。


姉さんも妹も俺よりアルトと仲がよかった。

はぁ、本当ウザイ、俺より愛されて、姉さんと妹と仲良くしやがって、本当ウザイ、ウザイ、ウザイ。俺が嫌っていることは表情に出してわかるはずなのにアイツは俺に笑顔を向けて、一緒に遊ぼうと言う、はぁ?何言ってやがると俺は思ったさ、だが、5歳になり属性の儀を受けたアルトは無属性と言われ、父上から家から捨てられた。兵に連れて行かれる時アルトは俺を見た、俺は笑ってやったさ、そしたらアイツは驚いた表情をしてそのまま連れて行かれた。アイツが兵に連れられ出ていくと、父上はガゼル次の当主はお前だ、期待しているぞと笑顔で言った。俺は喜んだね、嫌いなアルトが居なくなって父上から期待されて、愛されて、だが、姉さんと妹は違った。アルトが居なくなり悲しみ涙を流していた。父上は姉さんと妹にはアルトは盗賊に襲われて死んだと言が実際は兵に連れられた後、兵に殺されることになっているのを俺は知っていた。だって、兵に殺すように父上に提案したのは俺だからだ。提案した時父上は驚いたが俺が無属性には生きる価値などないのではと言うと納得してくれた。俺は泣いている姉さんと妹を慰める ために、近づこうとすると、姉さんと妹はアルトの名を時折泣きながら口に出していた。泣き止んだのは、泣き始めて、数時間たったあとだ、姉さんと妹は泣き疲れてその場でそのまま眠った。アイツが姉さんと妹とどれほど仲が良かったか改めて知ったが、だがいい、アイツはもういないと姉さんと妹が寝ている部屋を出て笑った。



そのまま自分の部屋に向かう途中にアイツを連れて行った兵が父上と話をしているのを見たので、盗み聞きをしていると、アイツは殺されていないらしい。兵の話では、謎の黒ローブの者が兵を気絶させてアイツを連れていったらしい。俺はイラついたね、アイツが生きていると思うと、ムカムカする。だが、そんなイラつきも、すぐに治まった。夜に一人の王城から使いの者が来た。来た理由は、ホムラ領土近くの盗賊が捕まり、捕まった盗賊のアジトにアイツの死体があったらしい。俺はそれを聞いて喜んだね。本当に殺されて、アイツがこの世からいなくって。使いの者が持って来た証拠のアイツが連れて行かれる時に来ていた服は血で赤く染まり、どんな殺されをしたか服を見て想像できる。父上は悲しんだ顔をしていたが使いの者が帰ると喜んでいた。父上もアイツが本当に死んで嬉しかったらしい。そんな父上を見たあと俺は部屋に戻りベッドで横になる。


アイツがいなくなったその日、ぐっすりと俺は気持ちよく眠ることができた。

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