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モンスターを鎧にする仕事  作者: タック
第二章

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強すぎる量産モンスター装備

「あー、疲れた……」


 イストは、ぐで~っと軟体動物のように倒れてしまった。

 籠手と胸当てだけの簡易モンスター防具とはいえ、鋼鉄の守護者の数十人分を作ったのだ。


「イストさん、お疲れ様でした。もう俺より鍛冶仕事が上手くなってるんじゃないですかね。病み上がりなんだから、無理せず頼みますよ」


 ユーダイは鍛冶の師匠として――また友人に近い位置として心配してくれているのだろう。


「いや、病み上がりだとかじゃなくて、俺がビビッとインスピレーションを受けたオーダーメイドの防具じゃないから疲れた感じだ……」

「そこですか」

「むしろそこしかない」


 イストは完全に言い切った。

 楽しい事はいくらやっても疲れないが、作業感が出てしまうと集中力も切れてしまう。


「ちょい休憩してから、アイゼンシルトの方の鍛冶作業だな……」

「それじゃあ、休憩がてら量産モンスター装備のテストでも見ていきますか?」

「ああ、それも良さそうだな。あんまり手間暇かけて作ってないから、そんなに強くはないだろうけど」


 イストとユーダイは、ヘパイストスの移動工房の外へ出た。

 場所は元いた森から少し離れた地面に置いてある(・・・・・)

 アルプスが空間圧縮魔術を使い、普段は持ち歩いているのだ。

 使う時にはある程度の広さの場所に出して、地面に置くという形になっている。

 ちなみに空間圧縮中も内部に人間がいることも可能だが、もしアルプスが死亡した場合などはどうなるのか怖くてイスト以外は試していない。


「あ、イストさん」


 イストを見て、ウリエルが手を振ってきた。

 その周囲には量産型モンスター防具を装備している団員たちもいた。


「ウリエルは何をやってるんだ?」

「モンスター防具を最初に装備した先駆者として、教官みたいなことを頼まれてしまっていますよ」


 ウリエルはまんざらではないようだが、ビキニアーマー自体はマントで隠している。


「ウリエル先任教官! 言われた通りに岩を砕きました!!」


 よく見ると、砕けた岩の破片の近くにギルドメンバーたちがいた。

 彼らはその性能に感動しているようだ。


「す、すげぇ……こんな強い装備見たことねぇよ……」

「うーん、素人の俺がヘラクレスの籠手を使ったときも岩くらいは砕けたからなぁ……。もっと強いのでテストしないと意味がないんじゃないか?」

「えっ!?」


 イストの提案に、ギルドメンバーたちはギョッとした。

 素手で岩を砕けるくらい強ければ充分だと思っていたのに、想定が上すぎるのだ。

 しかし、ウリエルもそれくらいの想定だった。


「そう思って、アルプスさんが向こうで用意していますよ」

「用意って何を?」

「見ればすぐにわかります。さぁ、ギルドメンバーの皆さんも一緒に行きますよ」


 ギルドメンバーたちは嫌な予感しかしなかった。




 ズシン――ズシン――。


「ま、マジかぁ~……」

「嘘だろ、おい……」


 ギルドメンバーはその巨大な足音の主を見て、絶望していた。


「おっ、丁度いいじゃん。機魔国の敵は大きいのが多そうだしな」


 そこに日陰を作っていたのは、身長5メートルはある石のゴーレムだった。

 近くでゴーレムを制御していたアルプスがイストたちを見つけると、嬉しそうに走ってきた。


「ウーちゃんに言われた通り、テスト用のゴーレムを作ってみたよ!」

「それは良いが、実際にテストする側のギルドメンバーたちは震え上がっているぞ」


 イストの言うとおり、自分の身長の二倍以上あるゴーレムと戦わされそうなのだ。

 震えてしまうのが普通だろう。


「アルプスさん、注文通りに普通のロックゴーレムですよね?」

「うん、それくらいの性能にしてみたよ」

「それじゃあ、GO」

「えっ」


 巨大なゴーレム相手にどう戦えというのか。

 ギルドメンバーたちは、そんなことを目で訴えてきている。


「アルプスさん」


 ウリエルがニコッと笑顔を向けた。

 アルプスはご愁傷様という表情で、ロックゴーレムに指示を出す。


「ロックゴーレム、標的は彼らよ。全力で殴って」

「ひぃぃぃぃいいい!?」


 ロックゴーレムの巨大な拳が、ギルドメンバーの一人に振り下ろされた。


「死んじゃううううううう!? ……って、あれ?」


 ギルドメンバーは、量産型モンスター防具の籠手で簡単に受け止めてしまった。

 キョトンとした表情で固まったあと、恐る恐る反撃のパンチをした。

 すると、ロックゴーレムの拳の方が簡単に砕け散ってしまった。


「量産型とはいえ、イストさんのモンスター防具を装備してるんだから自信を持ってください」

「は、はい!! オレら、戦えるような気がしてきました!!」

「よかったです。それじゃあ、アルプスさん。二十体くらいロックゴーレムを出してください」

「えっ」


 その後、ウリエル本人も加わった地獄の訓練が夜遅くまで続いたという。


◎資金作り

◎新工房作り

・アイゼンシルトのメンテナンス

◎レオタード素材集め

◎量産型モンスター装備作成

・アイゼンシルトの新装備


・機魔国に占領された村を取り戻す

・魔国をどうにかする

・世界を救う

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