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慟哭の時  作者: レクフル
第2章

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アンネローゼの事情 3


オルギアン帝国



その帝国はインタラス国の西、グリオルド国を越えた先にある。


オルギアン帝国は、この辺りにある国の、何処よりも広大で、何処よりも戦力に長けていた。

国の勢力が周りにある国とは桁違い。

今、この帝国には何処の国も手出しはしないだろう。


オルギアンの周りにある国は属国で、その勢力はインタラス国にも及びそうな勢いだった。

そうなるのも時間の問題と思われる。


その内政は、皇帝の独裁政治。

今の皇帝になってからのオルギアンの勢力は凄まじいものがあったが、その皇帝ももうかなりの高齢であり、後継ぎ問題が勃発していた。


皇帝には多くの跡取りなる皇子がいたが、それを継げる能力に秀でた者がなかなか現れなかった。


しかし、皇帝が病に倒れたことにより、それぞれの皇子に付く派閥が活発に動き出していた。


継承順位としては、第1皇子、第2皇子と続いていくが、能力的にはそうはいかなかった。


最も能力に優れた者が、継承順位第16位に位置する皇子だったのだ。


その皇子が突然姿を消した。


皇帝も目にかけていた皇子であり、能力にも秀でていた皇子ではあったが、彼自身に帝位継承の意思はなく、継承順位の低さから他の者からもあまり重要視されていなかった。


しかし、皇帝が、その皇子に継がせると言い出した事により事態は急変。

皇子探しの隊が組まれる事になった。


しかし、幼少の頃より後宮で育ち、あまり表舞台に出てこなかった皇子の容貌を知っている者が少なかった為、編成された隊の数も少なかった。


その1つの隊が、アンネローゼ率いる騎士団だ。


アンネローゼは皇帝の娘、言わば皇女である。


しかし、皇女には継承権はなく、政略結婚の道具として使われるのがオチなのだ。


幼少よりアンネローゼは剣術に秀でており、騎士になる事を願っていた。


皇女は21人おり、殆どが他国に嫁いでいくなか、1人位騎士になったとて誰も何も言わなかった。


文句があるとするなら、その下につくことになった騎士達だ。


騎士達は自分より年下の女に、皇女と言うだけで聖騎士として扱われている事に納得していなかった。


その中での今回の遠征だ。


なぜ騎士ともあろう者が、皇子探しに赴かなければいかないのか。


それは皇子の顔を知っている者が少なかった為、アンネローゼも赴く事になったのと、騎士とは言え皇女なのだから、それを護る者は、やはり騎士でないと都合が悪いと言った事だった。


そういった都合上、同行していた騎士達は常に不機嫌で、アンネローゼもそれが分かっていた為、あまり何も言うことが出来なかった。


唯一、幼少より幼なじみの様にしていたマティアスがいてくれている事が、彼女にとっての救いであったのだ。








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