獄物からの発問
※ノイテ視点です
ソリスがいなくなってからオレは森に向かった。
アーベントもオレに話しかけることもなく、どっかに歩いて行った。
ソリスが転びまくっていた道は明るかったけど、今は雷雲に空が埋め尽くされてるから薄暗い。
こんな中でソリスが歩いたら何回転ぶのか。想像するだけでも笑える。
「……気持ち悪いな」
一人で笑っていても仕方ない。アイツと笑ったから楽しかったんだ。
だから笑顔を思い出したいんだけど
『嘘にならなかったら泣かないもん!』
なんで泣いてるんだよ。
最後に無茶を言って出て行ったけど、本当に嘘になったらどうするんだ。
泣くのか。泣くんだろうな。初めて会ったあの時みたいに一人で泣いて、苦しくなるんだよな。
そうさせないためには俺が嘘にはさせないようにする。
「けど、どうすればいいんだ?」
何かいい考えはないかと思っていたらキィーだかクェーだか言葉にしずらい甲高い鳴き声が聞こえてきて、オレの周りだけ雨が降ってくる。
雷は落ちても雨なんて降ったことないのにどうなってるんだと思っていたら、目の前に白い巨体のライオンなのか、鳥なのか、いやそれらが混ざった奴が飛んできた。
「なんだオマエ? ライオンか鳥かはっきりしろよ」
「我が名はグリフォン。キサマと違い居場所を与えられている者だ」
「気味悪いうえに話せるときた。話せても人を不快にさせる言葉しか言えねえならキィキィ言ってるほうがマシだぜ」
「人間かどうかも分からぬキサマに言われる筋合いはないな」
「あ?」
オマエなんかよりははっきりした見た目だろオレのほうが。
なんなんだコイツ。
「無駄口はいらぬ。キサマはこの世に人間としての居場所を与えられていると思うか?」
「オマエが今言ってたのにオレに聞くのか? まあ思ってなかったぜ。前まではな」
「ほう、キサマの居場所を提供したものがいると?」
「オレがいなきゃ駄目だとか言う奴がいるんだ。だからオレの居場所はアイツのいる場所だ」
「そやつがキサマを不要としても、キサマはそこを居場所だと思えるのか?」
それは考えたことがなかった。
必要とされなくなったらオレは……
「キサマらは世界にとって不要物だ。そんなヤツらをいつまでも必要とし会いたいと思う存在があると思うか?」
ソリスは外で……俺の知らない場所で色んな奴に会っていく普通の女だ。
嘘にならない……? なあ、オマエの気持ちも?




