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Xデーへの心持ち



4日目の朝は、いつもと同じなのに、違って感じた。


学校の授業もいつもより長く感じ、登下校はいつも以上に足取りが軽く、家に着いてもいつものように寝れなかった。


――――――――――――――――――――――

ゲーム喋る


久しぶりにみんなで遊びに行かない?20:47


――――――――――――――――――――――


なんでもない一日を、いちばん楽しい日に変えてしまう――そんな一言。


それだけで僕のこころは軽く弾み逸る気持ちを抑えることができなかった。


「来週末まで耐えれば勝ち、来週末まで耐えれば勝ち」


僕は自身にそう言い聞かせてスマホをそっと閉じる。




深く沈んでいたこころを引き上げる


そのこころは暗く、重く――まるで底の見えない深淵のようだった。


そんな深淵は自分に何を見せるのか、その暗さは自分に何を訴えてるのか、その重さは何を背負っているのか。


今までそんな事が理解できなかった。


でも最近の夢で色々理解した、苦しいとか寂しいとかを誰にも言えない人や、見えない敵と戦って弱ってる人、泣きたいのに泣けない人、そしてそれらを全て自身を傷つけることで終わらせる人。


それら全てはNo.1ヒーローでも救いきれない人たち、それを伝える為の夢だったのかもしれない。


人間というのは知ってしまうと、少しは脳裏にそのことをがちらつく、だから夢で救えない人達を知ってしまった以上、救いたくなる。


それがヒーローだ。



「職業病とも言えるのかな.....」


「...ん?なんか言った?」


あぁ今日はお泊まり回の日か、親という存在が居ない自分もあの人達のなかに入っていてもおかしくないのかもな...


「いーや!なんにも言ってないよー!!」

「てか、よく寝てたな〜寝不足ー?」

「あはは、そんなことないと思うんだけどね...最近過眠症みたいで〜」

「ふーん大丈夫ー?なんか辛いことあったら言えよ〜?」


夢での出来事は現実にも出るって聞くしその辺の影響なのかな...


「うん、ありがとね...とゆうかまだ総一郎しか来てないの?」

「みんな昼ごはん買いに行ったんだよ〜隼人の冷蔵庫に何も入ってなかったから〜」

「あーごめんね〜!最近忙しくてさ、なんか久々の休日って感じ〜」

「まあでも気は抜けないよねー予告通りなら今日か明日バイオテロなんでしょ〜?」

「そう...だね、米国ヒーローや日本のヒーローで仲良い人達には声掛けたし、ヒーロー庁に報告もしたし、何よりお前らが居るし...どうにかなると思う」



そんな他愛もない話を続けているとみんなが帰ってきた。


「ただいま」

「ただいまです」

「ただ...いま」

「ただいまぁ!」

「ただいまー!」


「おかえり〜」

「おかえり!!」


みんなを見ていると安心できる、あんな夢を見ていてもこころが落ち着くそんな気がする。


バイオテロのことを伝えた時はみんな不安がっていたのに、今はもうその緊張は無さそうに見える。


自分だけが不安で、緊張してしまっている気がして、自分の心だけ、まだ夢の中に残されてしまっている感覚になる。


べしっ


「あがっ!?」

「昼ごはん作って」

「んぇ、あぁごめんごめん今から作るね!」

「料理できるの隼人と海斗しかいねぇーんだから頼むぜぇ」

「ちょっとは料理を勉強してくださいよ」

「まあまあその代わりの家事をやってるからさぁいいじゃん」





プルルルル...プルルルル...


電話が鳴ってる、誰からだろう...なんとなく嫌な予感がした。

「誰か電話自分の代わりに取ってー!!」


「電話...だれからだろう...」

「晴哉代わりに取っちゃったいいんじゃない〜?」

「わ...わかった...」


「わわっ...あ...西城さん...?」


西城さんか、最近頻繁に掛けてくるからまた業務連絡とかかなぁ


「西城さんってヒーロー庁の人でしょー確か」

「総一郎...変わって...」

「初対面は緊張しちゃうか〜いいよー」

「聞こえてますよ〜どうされましたか〜?」

「あ、No.2の黒い鳥でーす、ラリルの家にお邪魔してて〜」

「今は無理かもですねー代わりに聞きますよ〜」

「...!!わかりました」



「みんな〜集合してー!!」

「料理終わってからじゃダメかー!?」

「ダメー!!」


急ぎの用らしく、自分も海斗も料理を途中でやめ、集まる。


「西城さんから伝言、今から約30分後―――バイオテロが起きる、だから迎撃体制を取れだってさ」


その瞬間、空気が凍りついた、みんな緊張し始めてしまったみたいだ。


緊張、不安、プレッシャーそんなものはどんなに場慣れしているヒーローでも感じるものだ、それにまだ自分らは高校生だから余計に感じてしまうのかもしれない。


「みんな行こう、自分達なら失敗しない、この7人で今まで頑張ってきた、今回も今まで通りに一生懸命頑張るだけ、だから頑張ろう」


夢で負の感情を多く感じたからこそみんなより分かる、この感情達の対策や突破方法が...でも多く言っても意味はない。


たった一言をみんなにかける...それだけでいい。


「うん!」

「あぁ!!」

「はーい!」

「うん...!」

「おう!!」

「はい!!」


その一言が強ければみんな同じように着いてきてくれるから!!


この先の事件がどう動くかわからない、けれど起きそうっていう予想で動けなくなってしまっては意味がない。


だから何が起きてもいいように動く、それがヒーローとしての第一歩かもしれない

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