1話「懲罰の女神編②」
収監されておそらく一週間の時が経った。
相変わらず懲罰の女神は、俺の顔を見続けるし欲望が増幅されてひどいことになっている。
何せ、下半身がアレなのだ。
だから、小とかアレすぎるせいで……美人の奴隷さんにはご迷惑をかけている。
ちなみに彼女との会話は一度としてない。
まぁ、そばに女神様がいるし奴隷の身分だとみだりに話すことができないってこともあるのかもしれない。これも多分だが、罰のうちの一つだろう。
こうして男としての餌を与えることがだ。
それにしても、奴隷のレベルが高すぎやしないかと思う。
俺は美人に200年ほど囲まれたので、この程度(?)で済んでいるが普通だったらさすがにってくらいにレベルが高い美貌を誇るほどである。
何よりスタイルが……やばいくらいにそそる体をしている。
「あの人の子は、たまたまですよ」
俺の心に突っ込まないでいただきたい。
「表情に出てました?」
「はい」
そっすか。
と、俺はため息を吐いて力を抜く。
もちろん色々ギンギンだが、もう一週間もすれば慣れてくるものだ。
一日目、二日目とどんどん欲望が増進されてしまったが、三日目からなぜか増進しなくなったのでだいぶ慣れた。
重りについても慣れたけど、横になって寝てないから横になって寝たい感はある。
なにせ投獄されてからこのかたずっと立ったままなのだ。
そりゃ横になって眠りたいのは人間誰でも思うだろう。
例え、女神様たちに作られた体でも、だ。
そんなことを思っていると、やがてまた美人の奴隷さんが食事を持ってきた。
あれほど欲しいと思っていた食欲も慣れているので今は落ち着いて食べることができているのも良かったことだった。
――カシャ
「……」
さて、目を早速閉じて食べさせてもらうとまるでさえずるような美声が聞こえてきた。
「……なぜあなたは目を閉じて、ご飯を食べるの?」
あなたの奴隷服から漏れる色気がヤバいからですとは言えない。
「普段からだよ?」
「嘘をつきましたね、懲罰です」
「ぐっ」
声が漏れるほどまた重量が増えて、欲望もさらに強くなった。
「あ、あんたの体が魅力的だからです」
懲罰の女神は俺の嘘偽りない言葉に今度は何もしない。
くそ、嘘ついても量刑が課されるのか。
「……そ、そう」
照れた声が聞こえた。
その声もたまらなくいいように感じるのも懲罰の女神様のせいだろう。
「ねぇ、あなたはどうしてここに投獄されているの?」
あれ?
なんか初めて話したけど、やけに突っ込んでくるな。
なんでだろうと思ったが、懲罰の女神様がいる前で嘘は言えないし正直に言った。
「……とある女の子を救たかったから立てこもり事件を起こした。その結果がこれだ」
チラっと目を開き、懲罰の女神様を見る。
女神様はやっぱり美しすぎる。
じゃなく、何も言わずに俺のことを見ている。
「その子は――」
「間に合わなかった」
そういうと伏目がちになり、そうと呟きそして食事を口に運んできた。
俺も黙ってそれを受け入れてひたすらもぐもぐと食べるのみだった。
やがて食事が終わると、チラっと一瞬こちらを見て檻に鍵をかけてそっと出ていった。
「……はぁ~」
遠ざかった瞬間に思わずため息が出てしまう。
「あの人の子が気になるのですか?」
懲罰の女神様がそう聞いてくるので、俺は答える。
「まぁ、女神様たちほどじゃないですけど……あんなに美しいとさすがにね」
その言葉は園まで届き、きゃーと黄色い声を出す女神たちが声を辺りに響かせることを俺は知らなかった。
「……」
質問をしたくせにこの女神は、何も言わずまた俺を見続ける。
なんだろう? 話がしたいのかな?
「なぁ、女神様」
「なんですか?」
「そうやってて暇ではないですか?」
俺の言葉にやはりじっと見つめて、答えを探すかのようにその瞳は揺れていた。
「私がなぜここにいるのか、そしてあなたを見つめるのか……それは分かりますか?」
「多分ですけど、俺の懲罰のためでしょ?」
その言葉にコクンと頷き、そしてまた再び俺の目を見る。
「あなたのその魂はとても好ましい。あなたのその全ては我ら女神にとっては大いなる癒しをもたらす。ですが、あなたが間違えば我らは遠慮せずにあなたを断罪させる。これが私の共愛であると知ってください」
「共愛――あの園での俺に関する法律か何かでしたっけ」
「そうです」
「そもそも、その共愛の意味が分からないですが」
「……」
俺の問いに答えず、じっと見つめてはやがてふぅ~と息を漏らす。
今それはやめてほしいんだがっ!
俺の下半身に響く。
「共愛とは、あなたへの愛の形。あなたへと示すそれぞれの女神の愛し方です。我ら5000柱は私も含め、それぞれの方法であなたに愛を示します」
「……それならこうチュっと――」
「肉欲的なものは含みません」
そう言ってピシャっと否定された。
まぁ今のは俺のほうも悪かったんだけど。
ともかくずっと鎖に繋がれこうしてるのも暇なので、俺は懲罰の女神様相手に色々話しを振って過ごすことにしたのだった。




