4話 初の部活!
5/29 みんなようこそ!
僕は胸をドキドキさせながら中央階段をゆっくり登っている。たった今職員室で入部届けを提出し、印鑑を貰い、部員になったところだ。
日常開拓部顧問兼、担任の田中先生はいつものゆるく、ぼんやりとした表情ですぐに認めてくれた。
三原はというと、早朝に校内をテキトーにぶらついている田中先生を捕まえて、すぐに判をもらったという。ずいぶんな行動力に驚きだ。
あっという間に部室まで着いてしまった。
僕は緊張しながらゆっくりと静かに扉を開けた。
小さく古い室内には、手前のいすに西羽さんが腰掛けて本を読んでいるのが見えた。
一歩踏み出して部室に入り、不安げに「あ、あの」と声をかけた、が、返事がない。
え、え?無視という気配ではない。「あの!」今度は少し大きなを出すと、西羽さんは体をビクッとさせ、僕を見た。僕はごくりと唾を飲んだ。
「篠塚君!」西羽さんはイヤホンを外しながら笑顔で僕を見あげた。
「日常開拓部へようこそ!そこ座って!」正面の椅子を指さして言った。僕が腰掛けた瞬間、扉が勢いよく開いた。だれだろう、と思う隙もなく黒瀬さんと入日奈さん、それから三原が部室に入っきた。
黒瀬さんは「田中先生、探したけどいなかった」と一言いうと僕を見て「篠塚君よろしくね」と西羽さんの横に座りながら言った。僕はちょこんと頭を下げた。赤面になっていないか不安だ。
三原は僕の横に、入日奈さんは黒瀬さんの横に座ったのを確認すると、西羽さんは「じゃあまずは!」と立ち上がり、隅に置いてあるホワイトボードに文字を書き始めた。
自己紹介をしよう!と書いたようだ。最初の文字が大きすぎでバランスが悪い字だ。
「一番いや〜な自己紹介をしよ!」西羽さんは怖い話でもするかのような口調で言った。たしかに、陰キャにとって、自己紹介は地獄の幕開け同然。
だが、「自己紹介って嫌なことなのか?」と黒瀬さんはキョトン顔だ。「まぁ!陽キャのいさなちゃんにはわからないでしょうよ!」と冗談交じりに嘆くように西羽さんは言った。初の部活動という緊張の中でも、クラス1の陽キャである西羽さんが言うか?とツッコミたくなった。




