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ゲート

  


  chapter2「四月四日、報告」


 「おはよう。ユサはまた来てないのか、そうか。今日は本当なら午前切り上げの通常授業なんだが、所用があって緊急で課外授業に変更する。新学期早々で悪いが、ゆっくりしていられない。所用というのは、知っての通りゲートについての話だ。今しがた終わった話し合いで、正式にゲートは駆除対象として識別された。配布した詳細についてのデータに目を通しながら、ゲートの細かい情報と今日の段取りについて聞いてほしい。ゲート、2001年2月1日に同人サークル「ミハイ」より制作、数量限定で販売されたPC用ゲームソフトであり、正式名称は「ジ・イルズ・ゲート」。精神病の発症から完治までの三ヶ月間の生活を、日常で現れる多様な幻覚とともに追体験するストーリーとなっており、ジャンルはシミュレーションRPGに属する。患者の憂鬱や妄想、幻覚が患者視点で実体を持って敵として現れ、プレイヤーは患者と患者の分身を操作して敵を殲滅することでストーリーを進展させることができる。具体的なゲーム操作について知りたい奴は、添付してある取扱説明書を見て勝手にチェックしてくれ。そして今回、数あるゲートの中で君達が対処する製品は、シリアルNo.0049、純正品で現在は故所有者トーマの自宅にあるとされている。No.0049は、トーマが共通の友人を介して購入者である前所有者から譲り受け、今年1月12日に自宅に保管したという記録が最新の位置情報として残っている。君たちは、ホームルームが終わってからトーマ宅に直行し、No.0049の捜索に当たってくれ。現場で見つかった場合は、ソフトをこのアタッシュケースに入れて持ち帰ってほしい。それと、トーマ宅に現存している確証はないため、今日中に見つからなかった場合はそれきりで引き上げてもらっていい。まあ、平たく言えば家捜しだ。許可は降りてるので家中をひっくり返してもらっても構わない。だが、ブツには出来るだけ刺激を与えずに、そのままの状態でケースに入れること。念のため言っておくが、ソフトの危険性はこちらも把握しきれていないため、見つけても実際にプレイしたりすることのないように。以上。」

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