その11 時制について
今回のテーマは時制です。
英語は時制にとてもこだわる言語です。
時制にはあまり使われないものも含めて、以下のような12種類が存在します。
現在形
過去形
未来形
現在進行形
過去進行形
未来進行形
現在完了形
過去完了形
未来完了形
現在完了進行形
過去完了進行形
未来完了進行形
日本語にも当然、時制の概念はあるのですが、使い方は非常にいい加減で、英語のような厳密さはありません。
これは日本語小説でも同様で、時制の使い方があいまいである場合が非常に多く、下訳の状態でも時制はバラバラな可能性が高くなります。
そのため、完成訳への仕上げ作業にあたっては、正しい時制を選択する必要があります。
こうした日本語ならではの時制感覚に慣れている日本人にとって、英語の時制は違和感を感じる場合が多いようです。
過去形・現在形・未来形については、まだ感覚的に理解可能なのですが、特に問題なのが現在完了形です。
非常によく使われる時制にもかかわらず、日本人にとって現在形と現在完了形と過去形を使い分けるというのは非常に違和感があり、理解しにくいようです。
そのため、これについては感覚的に理解するというより、理屈で理解した方が、日本人には合っていると思います。
まず、以下の例文をご覧ください。
過去形:He went home
現在完了形:He has gone home.
日本語訳をすれば、どちらも「彼は家(故郷)に帰った」です。
過去のある時点で、彼が家に帰ったという部分は両者とも同じですが、異なるのは現在の彼の状態です。
過去形の場合、現在の彼が家に帰った状態であるかどうかは不明ですが、現在完了形の場合、現在も彼は家に帰った状態にあります。
日本語の場合、彼の現在の状態によって表現が変わるという概念が存在しないため、そもそも使い分けをしていないのですが、英語ではここを明確に使い分けます。
過去完了形の場合、現在の彼の状態ではなく、家に帰るというアクションが起こった後の、過去のある時点における彼の状態がどうなっているかを示しています。
こちらも当然、日本語では使い分けをしていません。
これらの原則に照らし合わせて、適切な時制を選択して下さい。
次に英語の未来形は、日本語の未来形とは意味合いが少し異なります。
英語の未来形は以下の2種類の意味を持っています。
1.予定されている未来
2.望ましい未来
日本語の未来形が主に「予定されている未来」だけを表すのに比べて、英語の未来形は「望ましい未来」つまり未来への意思・希望を表す時にも使われます。
I will pass the university next year.
例えば上記の英文の意味は「私は来年、大学に合格する予定です」ではなく、「私は来年、大学に合格するぞ」になります。
これは現在完了形や過去完了形とは逆パターンです。
日本語では明確に表現が異なる「予定されている未来」と「未来への意思・希望」が、英語では両方とも未来形で表現されるわけです。
仕上げ作業で未来形を選択する場合、ここに注意して下さい。
今回は間違えやすく、登場機会も多い時制を中心に簡単に解説しましたが、各時制の詳しい解説については、ネット上に解説が沢山ありますので、それらを参考になさってください。
次回は冠詞についてご案内します。




