49 夜間訓練
夜になりました。
ハルカの部屋で、女子会ならぬ夜間に訓練を行ってるエリカです。
調査隊というか城のお偉い方々が今ひとつ信用できないので、琥珀に遮音してもらい闇魔法の訓練することにしました。
『能ある鷹は爪を隠す』、『能ある女子は使える魔法を隠す』です。
講師は、お馴染みにゃんこ先生ですw
ハルカの指先の匂いをクンクンして、( おねえさんなら、おしえる。 )だそうです。
ハルカも「いやん、子猫! 撫でていい? だっこしていい? 」と大興奮です。
これから、遺跡に行く途中でモンスターに遭遇する。
その時、闇魔法ってけっこう便利だと思うんだ。
気配察知、影渡りができれば、生存確率が上がる。
ハルカは巻き込まれた一般人。どんどん逃げちゃえ!
私、彼女だけは絶対に守りたいんだ。
それだけじゃなくて今回の召喚は政治が絡んでるから、ハルカの立ち位置はいろいろ微妙だと思う。
気配を消して情報を収集したり、影に潜んだり、スパイスキルがきっと役に立つ。
そしてそれができることは、相手に知られない方が良い。
「これができると、どこかのできる家政婦さんみたいにドアの影で、すごい陰謀が聞けると思うのよ」
「もう、エリカ。何に憧れてるんですか? 」
ハルカにあきれられた。
ハルカはあっさり気配を消すことや、影渡りを覚えた。
にゃんこ先生の実技に私の丁寧な解説が加わったからだと思うw
にゃんこ、基本説明しないからね。
ダークマターは、日常生活でたまったドロドロしたストレスを魔力に込めて出す!感じって教えたら、ハルカが「江口……」と呟いて、特大のダークマターを発動させようとした。
部屋の中では危険なので止めたが、江口さん何をしたんだろう……
「そうそうハルカ鑑定って便利なのよ。野菜の善し悪しも分かるし、薬草も見分けられるの。一晩頭痛で苦しむけど、第三の目開いてみない?
キャベツもスイカも食べ頃とか新鮮さが分かるのよ! もう傷んだ野菜を買っちゃう事はないのよ!! 」
目をうるうるして、鑑定を強く勧めた。
「エリカ、前世はいくつだったの? 」
「ハルカより、ちょっと年上かな? てへ」と、何も言うなという目でニッコリ笑った。
ちゃんと空気を読んだハルカはそれ以上は聞かなかった。
結局、頭痛はイヤだと言うことで鑑定は覚えなかった。
それから死霊召喚は、私とハルカのたっての希望でにゃんこ先生のご教授を辞退した。
あれって、夜やっちゃいけない魔法ナンバーワンだと思うのよ。
ま、昼やってもコワイけどね。