弁当の忘れ物
初めまして、フリーヤと申します。
この作品を選んでいただきありがとうございます。
ちょっと気持ち悪いお兄ちゃんと可愛い妹のコメディ作品を作りたいと思い書いてみました。
是非最後までご覧いただけますと幸いです。
「行ってきまーす。」
そう言ってましろは学校に出かけた。
妹のましろが高校1年生になって早くも1ヶ月が経つ。
入学前は授業についていけるかとか友達ができるか不安になっていたので「大丈夫だよ。ましろなら勉強もついていけるし友達もすぐにできるよ。」と声をかけていたが今は、高校生活にも慣れてきて友達もできたのか最近は特にテンションが高いように感じる。
まあ、勉強はともかく友達については僕もあまり多い方ではないが…
とにかく明るく元気な妹を見るのはお兄ちゃんとしてこの上ない喜びだ。
ましろが楽しく高校生活を過ごしているのを想像すると思わず顔がにやけて笑ってしまう。
「ディフデュフデュフデュフ.....。」
おっと、また変な笑い方をしてしまった。
最近ましろから、笑い方が独特だから直した方が良いと言われたばかりだ。
僕も今年から専門学校に通うためなるべく目立たないよう気をつけよう。
そう思いながら僕は家族が食べ終えた食器を洗い始めた。
両親が共働きのため料理などの家事は僕が担当している。
特に妹の弁当は盛り付けまでこだわって作っている。
洗い物を終えリビングに向かうとテーブルの上にピンク色の袋が置いてあった。
僕は息をのんだ。まずい...妹が弁当を忘れた。
これは、一大事だ!
しかも、今日は妹が好きなミートボールと卵焼きが入っている。
幸いまだ、授業開始まで時間がある。
走ればまだ、間に合う。
そう思い、僕は妹の弁当を持って走った。
走るのは久しぶりだ。走ってしばらくすると呼吸が荒くなってきた。
胸が辛い。
はぁ...はぁ...ゔっん...はぁ...
一旦息を整える。汗が頬から顎につたって滴り落ちる。
辛いが妹のため、なんとしても弁当を届ける!
僕は再び走り出した。途中、何か視線を感じるが多分気の
せいだろう。そう考えている間に、妹の通う学校が見えてきた。
校門に見覚えのある後ろ姿が見える。
ポニーテールの黒髪に他の女子高生よりも小柄な体型。友達と何か楽しく話しているのか後ろ姿でも楽しんでいるのが伝わってくる。
僕の『いもうとセンサー』が反応している。間違いなく妹だ。
「ま、ましろーーーー」僕は思わず叫んでしまった。
周囲がどよめいている。
やってしまった。
汗びっしょりの男が走りながら大声を出せば怪しさ100%だろう。
そして、僕の『いもうとセンサー』は正確だったようで妹が真っ赤な顔をしてこちらに近づいてきた。
妹が頬を膨らませながらこちらを睨んでいる。怒った顔もとても可愛いと言いかけたがぐっと耐えた。
「ちょっとお兄ちゃん!」
周囲から驚いた声が聞こえる。そりゃこんなぽっちゃり体型の男が目の前の小柄で可愛い子の兄だとは誰も思わないだろう。
「ねえ、お兄ちゃん!なんで学校に来てるの?」
「はあ…はあ…なんでって…弁当を忘れてたから…持ってきたんだよ。」
そう言って弁当を妹に見せると妹がひったくるように弁当を奪う。
「持ってきてくれたのは嬉しいけど、私の名前を言う必要ある?」
「兄妹の...再会シーンみたくてよかったでしょ?ディフ。」
「必要ある?」
「ごめんなさい、必要ありません。」
ぐうの音も出ない。
「ねえ、ましろ。」
ましろの友人が校舎の時計を指差す。
校舎の時計を見ると8時25分を指していた。
「やば!早くしないと授業始まる。」妹が言うと2人は走って行った。
「ふう。」
空を見上げ、大きく息を吐いた。妹には怒られたけどなんとか弁当を渡すことができた。僕としては満足だ。周囲は冷ややかな目で見てるがどうということはない。
「お兄ちゃん」
校舎側を見ると目の前に妹がいた。
「ありがとう、でも次からはメールしてね。キモいみたいだよ、お兄ちゃん。」
そう言って妹は走って校舎に向かった。
その晩、妹が両親に告げ口し僕は1時間説教をされた。
そして、これをきっかけに僕と妹の環境に変化が起きるとはこの時夢にも思わなかった。
最後まで見てくださりありがとうございます。
現在、続きを作成中のため少し時間がかかりますが更新したいと思います。
次回も是非ご視聴してください。




