04-21 化物対化物 2
クラウスです。
正直に言います。スミカ様を制止した自分にも彼の意識と殺気が襲いかかり、自分ごと斬られると思いました。
それほどまでにスミカ様の殺気は激烈だったのです。
気押されて無様に尻餅をついたエレインの目前で、スミカ様の白刃は止まっていました。
スミカ様は穏やかに問いかけます。
「クラウス君、どうしたのかな?殺してはいけない、とは?」
この方はあれ程の殺気を放ちつつ冷静だったのです。
「エレインはかつての私の仲間、人類解放同盟の勇者ナイトメアに精神操作されていると思われます。今殺してしまっては、この事件の経緯が掴めなくなります。」
「分かった。ルーテシアを呼ぼう。
また醜いものを見せてしまうのか……あの子のケアも必要だな。」
「ルーテシア、大丈夫?」
「……あまり、大丈夫じゃないです……でも、スミカ様のそばにいられるから……がんばる!」
ルーテシアさんは、時々悪夢のような拷問のフラッシュバックがあるとか。
ルーテシアさんはエレインに触れると一瞬身震いしました。
「浅黒い肌に黒髪、オレンジの瞳……
精神操作や洗脳なんて程度じゃない、侵食されている!」
スミカ様はこちらを向きます。
「わかりません、ナイトメア……あいつは他人が認識する自身の姿を操作できるようなのです。」
「でも、基礎になる思念はそう簡単に変えられません。見つけられると思います。」
ルーテシアさんの言葉で、城の全域を閉鎖してナイトメア探索が始まりました。




