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ローナ王国物語  作者: 青酸基
第3覧
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03-SS-12 美月節

アネットです。

今日は女の子が好きな相手に想いを告げる日だそうで、私も姫様から「ちょこ」を頂きました。

リマド様やスミカ様の故国アドウの風習だそうです。異世界のお祭りはいろいろ興味深いですね。

姫様はお顔を真っ赤にして「ちょこ」を下さいました。「初めて作ったので不格好でまずいと思う、ごめんね。」と仰いましたが、姫様の手作りなんて光栄の至りです。おいしいに決まってます。


♥の形をめざして成りきっていないのも「ゆらぎの美」ですね。さすがは姫様です。


私が姫様のチョコの美味を堪能しているとシャーリーとエレノアが大急ぎで走って来ました。

シャーリーは非番のはずなのにどうしたのでしょう? 余程慌てたのか私服のままです。


エレノアは叫びます「アネットさん、そのチョコを食べてはいけません!」

彼女はいったい何を言っているのでしょう?まさか、姫様のちょこを横取りする気じゃないでしょうね?

この宝物は私だけのものです。侍女組リーダーのシャーリーや同僚のエレノアでもあげませんよ。


シャーリーが説明します

「姫様ったらアドウの本を読み間違えたようで、王国法の特種毒物に該当する猛毒がそのチョコに含まれているのです!ちょっとでも口に入ったら即死です!」

エレノアのお家は暗殺用毒物の専門家だそうで、姫様のお料理の後片付けをしていて気づいたとか。

そんなことを言われても私はもう半分ぐらいチョコを食べてしまっていますがどうってことはありません。

頭と身体がとろける感じが楽しめましたがチョコにこもった姫様の愛情のためでしょう。


シャーリーが毒物探知魔術で確認したところ、やはり猛毒が含まれている、という反応が出ました。

シャーリーとエレノアは

「アネットは因果の糸で身体強化されているんでしたっけ?もう、普通の魔族の範疇には含まれないようですね。」

と呆れて帰って行きました。

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