15/23
01-SS-03 賓客
セラルドです。
私は会ったことはないのですが、王宮の西離宮には数年前に征服したトアン王国の元王女メリッサがいるそうです。
歳はわたしよりひとつ上だそうです。
彼女の役目は、トアンの代官となるお父様の子供を産むこと。
現在妊娠中で、もうすぐ産まれるそうです。
メリッサの子供は私の弟妹ではなく臣下として扱われます。
もちろんメリッサは既に魔族になっています。
人の魂や肉を口にするのを最初は拒否していたそうですが、飢えと渇きには勝てなかったということです。
子供が産まれたら子供は代官、メリッサは代官補佐になって、共にトアンに戻されます。
そしてメリッサの手でトアンにこの国と同じシステムを作るのです。
そう、魔族の食料である食用人間を飼い魂を抜き肉を得るシステムです。
お役目だからしかたないと分かっていても、お父様がメリッサを孕ませた時お母様はすごく不機嫌でした。
私は女だから、私がお父様の跡を継いだらスミカが孕ませることになるのでしょう。
不機嫌どころではない自分が想像できます。
メリッサの側仕えには魔族にされた元婚約者が配置されているそうです。
彼はお父様の血を受けてるので、メリッサに手を出すことはありません。
そう命令されていますから。
メリッサは時々彼にお腹の音を聞かせているそうです。不思議な心理ですね。




