06-03 現状転回
ソフィアです。
宰相府のお仕事は、何とか山を越えました。
一時は私のお茶会メンバーからお仕事を手伝うのと引き換えに魔族にしてやるか、というひどい一本釣案まで出たのですが、幸いアドウからの官僚補充で現実にはなりませんでした。
今日のお仕事が終わって解散になると、お父様はルーテシアさんに連れられて行ってしまいました。
お母様はエスティーカお姉さまに「来月のデートの手配よろしくね!期待してるんだからね!」と念押されました。
仕事疲れと解放された安堵感でちょっとハイになったのか、私はお母様におかしなことをお聞きしてしまいました。
「お母様、浮気って気持ちいいのですか?」
お姉さまの眉がピクリと動いたので、慌てて付け加えます。
「あ、あの、別に咎めたりするつもりじゃないんです、お母様がすごく楽しそうで……」
「大丈夫、ソフィアも普通じゃない恋愛に興味あるんだよね?そうじゃなければ気持ちいいのか、とは聞かないよね。
私の場合、最初の食用人間との一夜限りの関係までは自分の意志だったけど、その後はお婆様やユリアに洗脳されたから、ちょっと普通の浮気とは違うのよね。
でも、今の私が言えるのは、気持ち良すぎて麻薬の一種かもね。夫以外の、それも人間の男性と雄雌の関係になって妊娠する、どろどろの背徳感、破滅感がもう最高!
正直あなた達には勧めない。
今の私は、誰を泣かせても、何を失っても構わないと、ただひたすらに取り返しのつかない快楽に溺れているんだもの。
異能を持ったアリアが産まれて、王国のためあの子を健やかに育てるためという大義名分で、私の洗脳、ユリアへの不義の愛情が周囲から黙認されている。
それをいいことに、私は来月のお休みはユリアに会いにに行くのよ。
知っての通りスミカとの夫婦関係は壊れた。彼は側にいるけど修復なんてきっと無理。
そしてスミカはルーテシアの愛を受け入れた。私はそれに心を痛めるよりも、スミカに構わずユリアとセックスできることに浮かれているの。
だから、悪いことは言わない、冒険したいなら誰かとの浮気じゃなくて、一夜限りの恋愛までにしておきなさい。そして、避妊は必ずするのよ。」
お母様はアリアちゃんと遊びに行ってしまいました。
お母様から伺ったあまりに赤裸々なお話に、私の頭はぐるぐるしています。
お母様と私のお話を聞いておられたお姉さまが仰いました。
「ソフィアちゃん、もしお母様が仰った冒険、一夜限りの恋愛に興味があるのなら、私がつきあってあげてもいいわよ。」
「えっ?」
思わず飲み込んだ唾の「ゴクリ」という音がやけに大きく感じられました。




